佐藤賢一著「ナポレオン 2 野望篇」を読みました。
前の台頭篇でナポレオンが最も苦戦したのがイタリア方面戦線における対オーストリア戦でした。
強大なハプスブルク家が率いるオーストリアですからね。闘いは簡単ではないのですが、土俵際からひっくり返す強さを見せたナポレオン。
こうなると、ラスボスであるウィーンにまで攻め込みたくなるのが常ですが、ナポレオンはふと思いとどまって、和平を結ぶのです。
ナポレオンの中の政治家としてのセンスが芽生えはじめた瞬間。
実際に、当時5人いたフランス総裁に色気を出すのですが、そうはすんなりいきません。唯一和平を結んでいない対イギリス方面戦線に派遣されます。
しかし、まともにはイギリスとは闘えません。裏をかくように、スエズ運河の覇権を押さえてインド航路に打撃を加えるべく、エジプトを押さえにかかるのです。
外相タレイランと組んだ政治工作、ネルソン提督・スミス提督が率いるイギリス海軍との攻防、学者達を引き連れての行軍、気候やペストとの格闘、士気高いトルコ軍との闘い。
結局はアブキールの陸戦で勝利を挙げ、闘いの趨勢を決するのですが、本国フランスが対フランス包囲網で苦戦疲弊の最中と聞くや否や、フランスに取って返してクーデターを起こし、三執政制の第一執政の座に着くのです。
しかし、対フランス包囲網をなんとかしなくてはいけません。和平を結んだ筈のオーストリアまでもが手のひら返し。ナポレオンはハンニバルさながらにアルプス越えでオーストリアに攻め入るも苦戦。が、奇跡的に逆転。
再びフランスに帰るや否や、フランス皇帝にまで登り詰めるのです。しかも、イタリア王まで兼務。のみならず兄弟や姻戚関係の者をいくつかの国に君臨させてしまう。このことが、またもやオーストリアを刺激。結果、ナポレオンはウィーンを陥落させて、ロシア軍が視野に入りだします。
ただ、やや無理筋とも言える王族アンギャン公の処刑、兄弟との確執、ジョゼフィーヌとの関係性の微妙な変質。。。
これがのちのちにどう響いていくのでしょうか。
そして、対イギリス戦線。イギリスは王党派や王族アンギャン公に資金を提供してナポレオン暗殺を企てた可能性も濃厚なのですが、フランスより海軍力が上回っていてなかなか手が出せません。ロシアとも手を組んでいるのでしょう。案の定、トラファルガー海戦でフランス軍は大敗。
こうなると、ロシア・オーストリア軍と闘いを交えるしかなくなってしまったナポレオン。
そして、戦いの幕は切って落とされた。。。
とりあえず幸先は良かったんです。ヨーロッパの覇権もほぼ手中に入れたのです。でも今度はプロイセンが動きだし。。。
第二巻はここで終わりです。
さぁ、ファイナルの第三巻、どういう展開になっていくのでしょうか。
個人的には、ナポレオンの右腕として政治的嗅覚が抜群に冴えるタレイランと共に、なかなか曲者の警察大臣ジョゼフ・フーシェの存在が気になりました。フーシェは、一旦はナポレオンに梯子を外されたかに見えて、なかなかどうして。アンギャン公の処刑にも一枚噛んでいたのです。今後のキーパーソンになっていくのでしょうか。
ハラハラしますね。
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