奥田昌子著「『日本人の体質』研究でわかった 長寿の習慣」を読みました。


サブタイトルにあるように、日本人の体質を踏まえて、長寿のためには何をしたらいいのかを、ある程度科学的根拠を踏まえて書かれた本です。

日本人って、長寿だけれど、健康寿命が短くて、寝たきりまたは介護のお世話になる期間が長いのよね。それは嫌だわ。


と、思う人は少なくないのですが、実は世界的に見て、日本は平均寿命も健康寿命も長い国だそうです。

平均寿命というのは、今誕生した子が、今後生きることが期待できる年齢ということであって、平均寿命との差があなたの余命という訳ではありません!ということがまず初っ端に書かれてあります。

イメージで物を言ってはいけません、ということですね。

とはいえ、平均寿命と健康寿命の間には差があって、不健康な状態で晩年を送らざるを得ない現状はあり、10年前後位かもしれません。なので、健康寿命の延長を目指して不自由な期間が短い方がいいのですが、そのためには何に気をつけるべきか?


その前に、踏まえるべき日本人の体質とはなんでしょう。


ルーツ別のアメリカ人の平均寿命を見たところ、1位がアジア系、2位がラテン系、そしていわゆる白人と続きます。


アジア系は遺伝的に元々長寿傾向なのかもしれません。


しかし、一卵性双生児を対象にした研究では遺伝が全てでなく、罹患する病気は意外と異なっていたとか。


生活習慣や住む地域環境も影響しそうで、腸内細菌叢の違いによる影響も大きそう。日本人には海藻を消化する腸内細菌がいるのですが、これは日本人だけの大きな特徴。同じ東アジア人でも、中国人と日本人では腸内細菌叢は全く違うとのこと。


なので健康食というのが必ずしも万人に当てはまらないのですね。


同じヨーロッパでも、健康的とされる地中海食を食べ続けるメリットはイギリス人では全くなかったとか。


加えて欧米人では、皮下脂肪に余分な脂肪が溜まりやすいのに、日本人は内臓脂肪に溜まりやすい。


老化を加速させるのが糖化や慢性炎症。内臓脂肪は悪い物質を出して、血糖値を上げて糖化を促進し、慢性炎症を引き起こす。それらは動脈硬化を促進する。


これらを踏まえて、いくつかの疫学調査や百寿者研究を見ていくと。


以下の、4つの習慣が良いのでは、ということでした。


その1:魚を中心にした動物性蛋白質を摂り、大豆、海藻、緑黄色野菜を摂取する。


その2:腹八分目で内臓脂肪をつきにくくする。


その3:有酸素運動またはこまめに動くことで慢性炎症を抑え、ひいては動脈硬化やフレイルを抑える。


その4:これからもっと良くなる、というような未来思考を持つ。


だ、そうです。


3のフレイルとは、筋力の低下などを主体として、活動量、食事量の低下、意欲低下を呼び込み、さらに筋力低下に陥る悪循環となって最終的に要介護状態になる病態のことです。


蛋白質摂ったらいいよね、と思いがちなのですが、必要以上に摂っても差はなく(不足はダメ)、それよりも、足りていないのは、1位ビタミンD、2位ビタミンC、3位ビタミンEなのだそうで、4位で初めて蛋白質が登場。


ただし、サプリメントは逆効果となることもあり、たとえばビタミンDに関して言えば、日本人の場合、9割を魚から摂っているので引き続き魚を食し、適宜紫外線を浴びることがお勧めだそうです。


皆が不安に思う認知症についても少し触れてありました。


なーるほど、とは思うものの、つい目先の誘惑に引きづられて「わかっちゃいるけど・・・」と、イージーな方に流れていきますよね。


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