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ハイ・ミスのブログ

大阪生まれ、大阪育ちのアラサー独身OLです★
日々感じたこと、学んだことをアウトプッしていきます!(^^)

先日観た、『花束みたいな恋をした』の中で、

圧迫面接をする面接官に対して、理不尽な取引先に対して

「その人はきっと今村夏子さんのピクニックを読んでも何とも思わない人だ!」というセリフがあり、

気になっていましたので、ネットで今村夏子さんの『こちらあみ子』を購入しましたおねがい

 

目次は『こちらあみ子』『ピクニック』『チズさん』です。

今日は『こちらあみ子』についてですチューリップピンク

 

あみ子は4人家族の長女です。

風変りの女の子で、落ち着きがなく、衝動的で、他人の気持ちができないところがあり、

小説の中で一言も書かれていませんが、少し発達障害を持っているように感じました。

 

そんなあみ子が幼少期~中学校を卒業するまでの物語です。

 

突然他人を驚かせるような行動をしてしまうあみ子。

兄は見張りとして、学校の登校・下校を一緒にしているのですが、

あみ子のことを自分の友達に見られるのを恥じ、あみ子を隠したりします。

序盤、私はこんな風な扱いをされているあみ子に対して心を痛めていました。

 

昔から、イジメを題材にしているようなドラマや漫画は見ているだけで苦しい気持ちになりますえーん

それはきっと、いじめられている子の気持ちに感情移入しているのだと思います。

いじめられている本人にどんな原因があったとしても、

意図してその子をグループからのけ者にして、陰口を言われていることに、一緒に傷ついてしまいます。

 

しかし、あみ子は、他人にどう思われているかとか、どんな扱いをされているか、

というので傷つくようなことは全くないのです。

自分がどうしたいかという、とても自分本位なものです。しかしそれは全く悪気がないのです。

 

そんなあみ子は、他人がする嫌がらせに対して何も感じていないのです。

 

しかし、本当に皆があみ子にひどい扱いをしていたかというと決してそうではなくて、

あみ子の誕生日にはあみ子の好物を用意してくれるお母さん。

チョコのクッキーやトランシーバーやカメラをプレゼントしてくれるお父さん。

なんやかんやと妹を気遣う兄。優しくて温かい家族であったと思います。

 

そして、親に言われたからと言いながらも毎日登下校を一緒にしてくれて、

あみ子の頼み事を聞いてくれるのり君。

 

悪気はないが、他人の気持ちを一切考えることが出来ないあみ子は

用意してくれた好物は平気で残すし、

チョコクッキーもコーティングされたチョコの部分だけを舐めて

あとは全部、あみ子が舐めた後というのは何も知らないのり君にあげてしまう。

 

どんな人でも許容範囲というものがあると思います。

あみ子は時間をかけてまわりの人たちの優しさの許容を超えてしまっていたのです。

 

そんなあみ子だけは、幼少期から中学卒業まで何も変わらないが、

それと反比例するかのように周りは確実に傷つき、変化していきます。

 

高校生の年齢になってからも無くなった3本の前歯をそのままにしているところや、

のり君に殴られた時の気持ちを思い出せず、何故そうなったかを考えることが出来ないこと。

あみ子が幼少期から変化をしていないことを現わしているように思います。

 

タイトルにある「こちらあみ子」

トランシーバーで「こちらあみ子、応答せよ、、」と言っても返事はなし。

最後に片一方のトランシーバーが無くなってしまっていたことが表現されるように

いつまで経っても、誰からの応答はありません。

 

この物語のナレーションはとても説明不足なところが多く、

読み手側があみ子以外の登場人物の心情を想像しなければいけません。

そのため、読み進めているうちに自分もあみ子の行動や発言によって

傷ついてしまうような感覚になります。

 

もしかしたらあみ子くらい、周りが見えずに突っ走っているほうが幸せなのかもしれない。

でも自分は、そのせいで周りが傷ついたりしているのを何とも思わずに生きることはできないな、

と色々考えてしまい、読み終えた後にモヤっとした気持ちが残ります。

しかし、その後あれこれ考えてしまうところが癖になる気もします。