6月15日の晩に記事にした「白紫陽花の変化」の句




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「紫陽花の見えない酵素見えてくる」

を推敲して、6月16日の俳句大学投句欄に投句してみた。

「紫陽花の見えない酵素見えにけり」

原句は、口語調であり、インパクトがやや不足と思ったからだ。

酵素を我々は目にすることは出来ない。

しかし、その形は精製された酵素の結晶にX線を当ててその回折という光の反射と吸収の結果をコンピューターで解析することにより、構造が見えてくる。

さて、白紫陽花の場合には、その青い色素をつくるチトクロームP450ファミリーの酵素すなわちアントシアニンという化学物質の特定の部位を水酸化する酵素が欠損しているためと考えられる。

このチトクロームP450は、大阪大学の蛋白質研究所の大村と佐藤により1962年にウサギの肝臓から発見されたのだ。

この「大村」と呼び捨てしたが、「大村」とはハイジャン男の恩師の大村恒雄先生のことである。

1969年、若干39才の若さで九州大学理学部の教授となり、赴任されたのだった。

その大村恒雄先生の発見のチトクロームP450だが、機能については不明であり、のちに薬物やステロイドホルモンの水酸化酵素として機能も明らかとなった。

さらに、その分布は原核生物から真核生物にまで広く分布しており、花の花色を決める酵素もこの仲間と分かったのであった。

白紫陽花には、この酵素が欠損しているために、色がなく白色なのだ。

ところが、白紫陽花の中には、遅れて僅かであるがこの酵素が発現してくることもあるようだ。

従って、記事にあるように、不完全ではあるが、薄い紫の花びらをもつ紫陽花になるということが分かるのだ。

要するに、酵素は見えねども、その色素の薄い染まり具合から酵素がそこにあることが見えてくるというわけだ。

この驚きを表現するには、推敲句がインパクトがありはしまいか?

この記事は、俳句にて締めなければならない。

新しい一句

「ゼロからのスタート白の紫陽花は」

ハイジャン男