俳句大学の週末には、「席題」と云ってお題に作る俳句もある。
「兼題」とも云う。
今回の席題は「躑躅」だった。
ハイジャン男が詠んだ句
「メンデルの眼鏡に叶ふ躑躅かな」
に互選の知らせが届いた。
掲句の選者もハンガリーのアニコさんだ。
アニコさん有難うございます。
アニコさんは、科学者なのでメンデルに反応して下さったようだ。
メンデルは遺伝の法則を発見したスロバキアの人(当時はオーストリア)。
植物にも遺伝現象があることを示し、遺伝子の存在を示唆してくれた。
ツツジの花の色には、赤、白、その中間のピンクがある。
これは、メンデルの遺伝の法則で見事に説明される。
赤い色素を作る酵素たんぱく質の遺伝子を染色体上に2つ持つものは赤に、1つ持つものはピンクに、そして持たないものは白になるという仕組みである。
その後、この酵素は、私の恩師である大村恒雄先生が発見されたチトクロムP450であることが分かった。
掲句の「メンデルの眼鏡に叶ふ」とは、ドヤ顔のメンデルを想像して欲しいし、3色のツツジに潜む不思議を感嘆してみたい気持ちもある。
そのメンデルだが、遺伝の法則を発見したにも拘らず、死後にその成果が驚きを持って迎えられたのである。
一度もドヤ顔出来なかったのだ!
こうして、俳句に詠むことで天国のメンデルにドヤ顔をさせてみたくなる。
「天国のメンデルさんへ白躑躅」
ハイジャン男