現在、福岡県立美術館で開催中の「没後40年記念高島野十郎展」の高島野十郎作の「流」である。
本作は、秩父の長瀞を取材した時の作品である。
1959年ごろの作品である。
昔、同級生の画家は、この絵を見て、凄い画家だと驚いていた。
東京の俳句大学のお友達の山野辺茂さんが、実は、秩父のご出身で、この絵の取材地の長瀞をご存知で、その写真を送って下さった。
山野辺さんの言
「長瀞の岩畳ですね。」
「素晴らしい絵です。よく特徴を描いています。」
「絵の方が迫力ありますね。」
画家は、写実に自分のファインダーによる修飾を加えて、この作品に仕立てたのだ。
流れる水が本当に止まっているようだ。
おそらく、その止まって見える流れを演出しているのは、動いて見える岩のせいだろう。
「冬の水止まつてゐると見せる巌」
ハイジャン男