丘ふみ游俳倶楽部の第124号の俳句となる11月の俳句が今朝ノミネートされた。
部長の中島葱男さんの許可を得て、公開することにした。
ハイジャン男の句はどれだろう?
そうか!ブログで公開したのも含まれるから、バレバレな句も含まれるんだ!
選句結果は、12月7日ごろアップされるのでお楽しみに。
皆さんも選句されてはいかが?
結果をハイジャン男にメッセージ或いはコメントで下さる方が居られたら光栄です。
よろしくお願いします。
「全国の皆さん選句する師走」
ハイジャン男
◎一句、◯二句、△三句です。両部門ともに。
清記A 全61句
01●青待ちに手背重ねる寒の朝
02●朝も夜も針は止まらぬ明日は牡蠣を
03●犬小屋に一声掛くる朝の霜
04●美しく箸を使ふてかぶら蒸し
05●叡山が近くに見ゆる暮の秋
06●駅前に命の起源冬の雨
07●落葉散る鴨の社に小鳥鳴く
08●カップ酒あけて挿したる帰り花
09●かの人の死は告げずおく初しぐれ
10●神の留守ではこれからと腰上ぐる
11●がらんどうの飼育小屋より冬めきぬ
12●枯蟷螂三番露店店仕舞い
13●狐火に音叉の響き吸ひ込まる
14●口パクで窓越しさよなら冬銀河
15●暮れゆくも紅葉の下なほ明かく
16●健さんの俤ふつと冬の海
17●木の葉髪引かれるやうな別れかな
18●小春日はオーガニックのグラノーラ
19●小春日や車洗ひて顔に汗
20●子を引きし冬めく昼の家族連れ
21●さざんかはまだ咲かんとね息浅し
22●左遷さる失意の人に降る時雨
23●寒空に赤が可愛いや地蔵尊
24●潮吹きて鯨一頭空を飛ぶ
25●シクラメン赤い自転車男フタリ
26●渋柿をかじり果報に別れ告ぐ
27●しまひ湯のひば油香りて冬に入る
28●錠剤の溝の一の字鎌いたち
29●神鏡を過ぐるおやこや冬紅葉
30●神殿の廊下拭きゐる冬の蠅
31●神童のその後の涯の日向ぼこ
32●底冷の川原に放つ発気揚々(ハッキヨイ)
33●供へ物分かつ野猿や冬の霧
34●垂れこめる雲間に光る翼かな
35●詰襟の校章光る枯木立
36●止まり木で千鳥のカタチを弄び
37●亡き母に似た掃除婦の背が寒し
38●葱提げてピアノ奏者の帰りけり
39●敗者より見るべき歴史花八手
40●初冬や巫女は見えないものを見る
41●日傾き紅葉はらはら小止みなし
42●人の旅出雲路橋にしぐれけり
43●風船屋サンタクロースが窓いつぱい
44●冬薔薇都電近づく警報機
45冬の雨フランス映画見る如し
46●冬めく日レースのカーテン新調す
47●冬紅葉陰と陽のせめぎ合い
48●豊後富士盆地一面冬芒
49●ペンギンの背(せな)一列の小春かな
50●まだ誰も測れぬ星に鯨哭く
51●真直ぐな銀杏ちる道よういどん
52●満開の孔雀サボテン冬真近
53●桃色に染まる枯木や恋みくじ
54●雪の朝耳鳴りのよな機械音
55●雪蛍湯気の如くに消えにけり
56●よく動くマスクの中の子供部屋
57●夜寒し明治の小説床で読む
58●ラブソング聞いて小犬の昼寝かな
59●ラーメンの背脂勤労感謝の日
60●凛として白鷺水に立ちにけり
61●綿虫や十字架仰ぐ旅の空
清記B 「大根」「守」 全62句
01●ああ幸せ!暖炉揺り椅子子守唄
02●雨の中大根川を渡りけり
03●異界めくゲームセンター神の留守
04●いつ見ても交番は留守冬日和
05●歌う人守るべきもの何もなし
(信頭火さんの歌を聴いて)
06●うらがはの僅かに欠けし大根かな
07●裏門を出づる守衛の皮衣
08●おかえりと大根肌のタワー優しく
09●お守りに祈りを込めし初穂かな
10●お守りはみゆきの曲と玉子酒
11●隠してた青大根を見せつけよ
12●辛子きくふろふき大根高倉健
13●ガリバーの背の高さなる木守柿
14●枯れ株や鎮守の宮の大銀杏
15●口直し下ろし大根鍋の湯気
16●国道のガードレールや懸大根
17●小春日や守宮顔出す垣根かな
18●定まらぬ大根の味へぼ俳句
19●寒き夜ふと守りたし我が妻を
20●JAの大根白し齧りたる
21●師の名前愛称で呼ぶ神の留守
22●島大根漬くる重石も母譲り
23●シャキシャキと大根飯の湯気が立ち
24●守破離なる極意あるらし軒氷柱
25●守秘義務や個人情報神の留守
26●純白の天守閣見ゆ冬紅葉
27●彗星に探査機鍋の煮大根
28●すずしろや約束事を守るひと
29●大根洗ふ藁持つ媼の手老ひし
30●大根てふ地の乳房を洗いけり
31●大根掘るだしの末裔念仏に
32●大根の青葉をたたへ仕事場へ
33●大根に集まる旨味おでん酒
34●大根の大きさ選ぶ行楽弁当
35●大根のおでんに偲ぶ母の顔
36●大根の隠し包丁あごの出汁
37●大根の首出してゐる日和かな
38●大根の炊ける匂ひを疎む世情
39●大根の髭ちろちろと干されをり
40●大根は味染みてるか覗き込み
41●大根は生物穴は無生物
42●大根干す脚立の上の修行僧
43●大根干すもろ手のしわやまぶしけれ
44●大根を抜けば真昼の闇生るる
45●大根を頬張りながら目が笑ひ
46●大根をもらひてかへす鰤大根
47●出し汁にどつぷり浸かる大根かな
48●道具箱のペンチそれぞれ神の留守
49●鍋底を探り当てたる染み大根
50●煮大根ふうふう夜の救急車
51●煮て甘き卸して辛き大根かな
52●ねんねこにすやすや寝入る子守唄
53●軒下や少し細めの大根干す
54●火を守る幾千年の乳房(ちぶさ)かな
55●冬紅葉守りの役目の終はりけり
56●無愛想が番台守る冬に入る
57●真っ白に煮上げし大根薄化粧
58●守るべき武士の一分や冬椿
59●見切り品劣後を癒す霙鍋
60●黙守る形のごとく冬林檎
61●留守宅に背弓なり猫日向ぼこ
62●留守電のランプ点滅冬の暮