ハイジャン男は、本日、生化学の講義を6回終わらせた。

解糖系、クエン酸回路を話し終えた。

よく4年生から言われることだが、

「解糖系やクエン酸回路って何?さっぱりわからん。」

という苦情だ。

しかし、それは、おかしいぞ。栄養学を志す人間として甚だ疑問だ。

生命活動には、エネルギーが要る。歩く、考える、ゲームをする。何にでも、我々はエネルギーを使っている。そのエネルギーだが、実は、糖質、脂質、たんぱく質の三大栄養素から補充しているのだ。

それが栄養学の基本である。もう、少し補足すると、実は、糖質、脂質、たんぱく質を構成する化合物の中に水素(H)が多く含まれていて、丁度、ガソリンの炭化水素と同じような物である。


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結局のところ、解糖系もクエン酸回路も、グルコースすなわちブドウ糖の持つエネルギーを生体内で利用可能なエネルギー物質であるATPと呼ばれるアデノシン-三リン酸に変換するための一連の酵素による化学反応の代謝の経路なのである。

代謝のためには、一連の酵素たんばく質が反応に関与している。

その実体は見えないものなので、学生諸君には、たいへん分かり難いのだろう。何とか、分かってもらえるように、その酵素の構造などを紹介しながら、教えているところである。

今日、話したことだが、解糖系は、原始的生物の原核生物も持っているが、クエン酸回路は、真核生物にしかないものだ。原始的な回路は、細胞質にあり、より進化したクエン酸回路は、新しく真核生物に出来たミトコンドリアにある。

いずれも、グルコース当たり、同じ2分子のATP(クエン酸回路では、2分子のGTP)を作り出す。しかし、クエン酸回路では、次に話す電子伝達系にて、より多くのATPを生みだすことが出来る。

「秋の水溶かしてゐるはエネルギー」

ハイジャン男