インプラントに資格は必要か？
インプラント治療は外科手術を伴う専門的な治療です。しかし、特別な資格は不要で、歯科医師免許を保有していれば治療をおこなうことができます。歯科医師は口腔内の基本的な知識を有し、手術をおこなえることが前提ですから、インプラント手術も歯科医師であればできるのです。ただ、現代の医療では細分化が進んでいて、歯科でも歯周病、根管治療、補綴など多くの分野があります。そのなかでインプラントも専門的な分野に入り、専門性が求められる分野になりつつあるのです。インプラント治療では、インプラントの知識や技術だけではなく、咬合機能やインプラント周囲炎に備えるため歯周病の知識など多方面の知識が必要です。そのため、現在の歯科大学ではインプラント講座を持つところも多く、関連学会ではインプラントに関する資格を制定しているところがあります。
インプラントの資格について
上記のように歯科医師であればインプラント治療をおこなうことができます。しかし、、専門的な教育を受けたひとつの目安として、インプラント関連学会は専門医・認定医・指導医などの資格を設けています。ただし、学会ごとの認定によるもので、統一された基準ではないということは留意してください。
専門医
専門医は「日本口腔インプラント学会」「日本顎顔面インプラント学会」などの学会が認定しています。認定条件としては学会が指定する専門教育機関での研修や認定試験での合格などが条件となります。両学会とも通算5年以上の研修が必要など、かなり専門性が求められることになります。
認定医
認定医とは、学会に認定された医師・歯科医師ということです。日本のインプラント関連学会では、あまり認定医という呼称は見受けられず、国際学会で使用されることが多いようです。
代表的なものはアメリカに本部を置く「ICOI（International Congress of Oral Implantologists）」とドイツに本部を置く「ISOI（国際口腔インプラント学会）」などがあります。症例の提出や試験によって認定されます。
また、インプラントメーカーにも認定医制度があり、自社のフィクスチャーに関して講習を受けると認定されることもあります。
指導医
指導医は名称の通り、認定医や専門医を指導する立場にあります。学会指定の研修施設には必ず在籍しています。認定基準では、認定医や指導医よりも経験が長いことが基準となります。
まとめ
もちろん、ご紹介したような資格を持たないでもインプラント治療の技術が優れている歯科医師もいます。しかし、患者の立場から見れば、歯科クリニックを選択する大きな目安になることは確かでしょう。治療でも重要になる経験で選択するのであれば、指導医がよいのかもしれません。
クリニックに勤めている指導医のみを集めたサイトがあるので、ぜひ参考にしてみてください。