彦根城(滋賀県彦根市)3日目です。

 

このお城は、様々な城郭建造物が豊富に現存しているお城です。本日は、「黒門」を出た所にある「楽々園」と「玄宮園」から巡ります。

 

「楽々園」は、城主(藩主)の日常生活の屋敷となっていて「槻(けやき)御殿」と言われています。当御殿は、書院建築であり、城郭建築では珍しい「地震の間」が設けられていました。大きな岩の上に乗せた部屋が地震時には揺れに併せて動くという耐震構造になっているそうです。「江戸城」の中にも造られていたらしいですが、現存するのは「彦根城」のみです。当時に、このような部屋を開発して実際に保有していたことが驚きです。また、この御殿には「茶亭」と「枯山水」の庭が付随しています。

 

玄宮園と天守

槻御殿の奥書院(玄宮園入口から)

槻御殿の茶座敷(楽々の間、地震の間)

 

「玄宮園」は、来客用として接待を行う場所として造られた茅葺の「数寄屋」と「茶亭」の建物群が並び、西側に聳える「金亀山」の樹木や美しい「天守」「櫓」群を借景にした「池泉回遊式庭園」となっています。ここから見上げる「天守」群は本当に素晴らしい光景となっています。

 

玄宮園と天守

玄宮園の臨池閣

玄宮園(池泉回遊式庭園)

 

こちらから南の方に歩んでいくと、全国で唯一現存している「厩(馬屋)」が横たわっています。屋根が杮葺きで形が細長い形をしています。中は、間仕切りが施され、馬の人形(馬形というべきか?)が、馬つなぎに繋がれている様子を演出しています。馬つなぎには、馬と相性の良い「猿」型となっています。

 

馬屋(重文-杮葺屋根)

馬屋(重文-馬繋ぎ部屋が並ぶ)

 

「厩(馬屋)」の南側には、「三の丸」から「二の丸」への入口の一つである「佐和口門」があり、「佐和口門」と「佐和口門二重櫓・多門櫓」によって道がクランクとなっています。

 

佐和口門 二重櫓と多聞櫓(右は復元、左は現存)

佐和口門内部から

 

佐和口門」を境に西部分の「佐和口多聞櫓・二重櫓」と東部分の「佐和口多聞櫓・二重櫓」に分断されていて、西部分は現存で重要文化財に指定され、東部分は復元されています。復元されているものの、これだけ長い直線の「多聞櫓」はあまり見ることができません。

 

佐和口門二重櫓・多聞櫓、天秤櫓、天守(いずれも重文、国宝、いろは松より)

佐和口門二重櫓(復元)

佐和口門二重櫓(重文)

佐和口門続多聞櫓(復元)-石垣下に犬走りがある

 

「二の丸」への出入口は4箇所あり、「佐和口門」以外には、「京橋口門」「船町口門」「長橋口門」がありました。「京橋口門」跡には、立派な枡形の石垣が残り、その前に架けられた「京橋」を渡ると、白壁と黒格子の町家風に統一された「夢京橋キャッスルロード」になり、多くの観光客のスポットとなっています。

 

京橋口門跡

京橋口門跡脇の雁木石段

京橋口門と京橋

 

「二の丸」跡には、「西郷家」や「脇家」の重臣武家屋敷の「長屋門」が残されていて、非常に昔の風情を醸し出してくれています。また「三の丸」跡にも、「池田家」の屋敷門や「鈴木家」の屋敷門が残り、更には大老にまでのし上がった「井伊直弼」が若いころに不遇の時代を過ごした屋敷である「埋木者(うもれぎのいえ)」があります。非情に狭い部屋で鬱屈した時を過ごした反発が彼の大老まで昇りつめるパワーになったのでしょうか。

 

西郷家長屋門

脇家長屋門

鈴木家長屋門

木俣家屋敷門

埋木者(うもれぎのいえ)の門

 

「三の丸」跡には、一部ですが土塁跡が唯一残る場所があったり、藩校「弘道館」の「講堂」であった建物が集会所「金亀会館」に移築されていたり、「外堀」の遺構があったりして、それらを探し歩く楽しみがあります。

 

外郭土塁(中央町)が一部残る

藩校弘道館の講堂の玄関(現 中央町の金亀会館)

外堀の遺構(馬場公園脇)

外堀跡(現在、夢橋キャスルロード入口付近の道路)

 

更に、最も西側に「惣構」の最外郭として堀代わりともなっていた「善利川(芹川)」がありますが、「芹川」と「外堀」跡の間にも、色々と面白い遺構が存在します。「中級・下級侍屋敷」と「足軽長屋・組屋敷」が並んでいたエリアが現在もあり、その中には「物見番所」が全国で唯一残っていますし、「御普請方長屋」の遺構もあって、それらを探しだす楽しみがあります。

 

芹川(善利川)-惣構の最外郭を形成)

城下内に残る全国唯一の物見番所

 

「彦根城」は、立派な国宝の「天守」を始め、各種の移築された「櫓」や「門」があり、現存の城主の日常生活用の現存「御殿」や「地震の間」もあれば復元の「表書院」もあり、来賓用の「数寄屋」と「茶亭」と庭園、はたまた全国唯一の現存の「厩(馬屋)」、全国唯一の足軽長屋内の「物見番所」、数多くの武家屋敷の長屋門、普請物では「鉢巻石垣」に「腰巻石垣」、「登石垣」などなど、これだけ豊富な城郭を構成するアイテムを一同に見られるお城は、「彦根城」しかないと思います。

 

「お城を勉強するなら、彦根城に登城しよう!」キャンペーンをしてもいいぐらいだと思いました。

 

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