「硝子細工のマトリョーシカ」 黒田研二 [講談社ノベルス] | カウネット呼ぼう

「硝子細工のマトリョーシカ」 黒田研二 [講談社ノベルス]

「ウエディング・ドレス」 でメフィスト賞を受賞し、「ペルソナ探偵」 など構成の凝ったトリッキーな作品を送り出している作者の新作。
マトリョーシカはロシアの民族的なおもちゃで、木彫り細工の女の子のダルマのような人形の中にさらに小さな人形が入っていて、その中にさらに小さな人形がと入れ子細工になっている、アレです。あんな風に、虚構と現実が何重にも層を成しているような構成の物語。
人気ミステリ作家かつ人気女優の歌織が脚本を書き、主演もこなす2時間ドラマ「マトリョーシカ」は生放送のサスペンスドラマ。ある監督の自殺と巡る謎を追いかけるニュース番組に脅迫が行われ、生放送の最中に次々と事件が
このドラマ自体も劇中劇のような虚構の二重構成の上、さらに物語自体もどこまでが虚構でどこからが現実なのかがわからなくなるような構成で、その手の話が好きな人にはともかく、ダラっと読んでるとわからなくなりそうなので一気読みをオススメします。
物語中の現実と虚構が入り混じるようなミステリを読んだことがない人には刺激的な物語となると思います。あとは構成萌えな人にはオススメ。伏線がきれいに収束していくあたりが気持ちいい。