「天帝妖狐」 乙一 [集英社文庫]
16才で「夏と花火と私の死体」
で鮮烈なデビューを飾った作者の二作目がついに文庫本化。乙一は最近コンスタントに「石の目」
「失踪HOLIDAY」
「きみにしか聞こえない CALLING YOU」
に出してどれも評判をとっています。
今回は二つの中編が収録されています。
「A MASKED BALL」:
アイデアがいいなあ。閉鎖社会での匿名でのコミュニケーションの方法がトイレの落書きとは。この時期特有の息苦しさや登場人物同士のコミュニケーションのとり方の距離がなかなかにうまい。ストーリーの展開にしても技ありな作品です。