太田 蘭三 顔のない刑事 | カウネット呼ぼう

太田 蘭三 顔のない刑事


素肌に薄いネグリジェをまとつて、女は畳の上に立っていた。顔にはもう情事の名残はなかった。ただ恐怖の視線を、男の死体にはわせていた。一方、奥多摩署の全裸殺人の容疑者として取り調べを受けた香月刑事は、警察手帳を返し、単独捜査を開始した。立ちはだかる暴力組織から逃れ、追いつめた男は・・・。そして第三の殺人が起きた。複雑な糸が見え始めたとき、意外な容疑者が浮かんだ。動機は十分だ。だが証拠はない。乾坤一擲、香月は罠を仕掛けた。しかし・・・。