本の始まりには、こう綴る

《長々と続き、読み手はもとより書き手も嫌になる程の旅であらんことを》

そして、中盤ではこう綴るだろう。

《一つの旅が終わった。でも、交錯した物語の約束を果たしてない。
小さな約束の終わり、誰か墓参りをして下されば、至極の幸せ。》


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グエンダリアの書簡より
久方ぶりの長旅。
おおよそ誰にも理解されず、悲しみや喜びも分かち合う事のない世界。

でも、今度の長旅は少し楽しい旅だ。
見知らぬ人と話なんかしたりして、別れ際に「またいつか」って握手をする。
昨日書いた『またいつか』と違い、もう会う事はないけれども再会の握手をする。
これ程嬉しい事はなかなかない。
でも、これが旅の幸せだと自負している。

中には
この時代連絡先を聞けば会える。
なんて陳腐な思考を巡らす者もいるだろう。

そんな人は今の時間を大切にしていないのだろうね。
大切な相手、家族や友人に旅先の相手との一時を小さな端末片手に相手してはいまいか?
そんな人には旅先で交わす握手の意味と重みは理解出来ないだろうね。


だからこそ喜びや悲しみを分かち合う事が少ないのはとても寂しい。
でも、そんな旅も間もなく終わる。