世界は摩訶不思議な事象であふれている。

些細な動作。

そう、そこにある一冊の本を持たなければ
そう、この心が善人であったなら
そう、あの時に砂塵の勇気を持たなければ
そう、その話をしなければ
そう、かの飛行機に乗っていたなら

今の時間はなかった。
本、心、勇気、話、飛行機、他にも多くの出来事。

刹那の時間が全てを左右していた。

数奇な運命の果ての今。
この時間は全て必然によって成り立っているのだろうか?
なら、その意味は?

何故導かす?
何故歩ます?
何故会わす?

いつかこの疑問の解に辿り着けるのだろうか?

何故生かす?
此度の旅もいくつか身になり知になり想いになった。
疲労と成長は対価の証。

しかし、旅の楽しみと冒険から来る不安はいまだに至りをみせない。
青二才で未熟で勇気がないのだろうね。

心のどこかで求める安らぎと安寧は、事なかれを語る。

まだまだ至らない。
友人と珍しく電話で会話を交わす。
情けない悩みにも付き合ってくれる。

願っても届かず、思っても伝わらず。

でも、友人は言う。
「友よ
同じ月が見えるかい?
同じ星が見えるかい?」

と。
自分にも同じ世界が映っている。

返す言葉もない。
そして、忘れていた言葉を思い返す。