力のあるフリーターとは(2)
京大卒の仙人のようなフリーター
俺が20代だったころに特許事務所を辞めて、仕事に迷っていた頃、職場の友人から紹介してもらった人がいた。年齢は40代くらいだった。
その頃一応会社組織にはなっていたのかもしれないのでフリーターと呼ぶにはちょっと当たらないのかもしれないが、少なくとも、本当に少人数のアルバイトがたまにくるくらいで、ほとんどその人一人で仕事をやっておられたようだ。
その人がやっていた仕事というのが植物調査の仕事である。
官公庁などから依頼される植生調査の仕事を、現場(つまり山だったり、原っぱだったりする)で行い。そのデータをまとめ官公庁に提出するのだ。
大学での専攻を生かしてということだったようだが、よくもまあ日本でしかも一人でこんな変わった仕事を・・、と思ったのを覚えている。
この人の家、兼仕事部屋につれていってもらうと部屋いっぱいに広げられた新聞紙の上に、色々な植物の標本が所狭しと広げられていた。
まさに植物分類学の申し子?植物と共に歩んでいる人だなあと思った。
好きなことを仕事にし、独自の道を歩んでいる。まぎれもなく真のフリーターの姿がそこにはあった。
動物に囲まれるのがムツゴロウさんであるなら、この人は植物に囲まれた仙人のようであった。
面識もない俺に惜しげもなく日本酒をふるまってくれながら、当時の悩んでいた俺に、「細く長くやれる仕事が、いいんじゃないかなあ」などとアドバイスしてくれたのを覚えている。
世の中、普段の生活からは見えないところに結構凄い人はいるもんだ。