→…これは演習である 1  より




光里
「交戦開始」

今回の演習ではマエストロ隊…広域戦闘支援に特化したアクトレスとの連携確認の色が強い。

フェアリーハート隊は回復に特化しており、強襲や殲滅への適性は低い。

またスナイパーズ!もその性質上、各個撃破に特化されており、どちらも大群を相手にすると戦闘時間が延びる傾向にある。

特にこうした特殊宙域の深層や、封鎖宙域のようにヴァイス密度の高いエリアでの戦闘はリスクが高い状態が続いていた。

それを打破すべく、この度マエストロ隊結成の運びとなったわけだが…。

先鋒は地衛理から。


ピジョンによる多角的連続攻撃で空間制圧を行い、スナイパーズ!やフェアリーハート隊への負荷を軽減出来るのか。

地衛理がアオイの周辺にピジョンを展開し、面制圧の支援砲撃を実行。

数を減じたヴァイスをアオイが丁寧に処理していく。



またある時は細やかにポジションを入れ換えて、敵に的を絞らせない撹乱戦法も。

特に今回出撃している絵美、そして美幸もだがフェアリーとは言え、回復能力は特殊な形態で、結合粒子を回収した際の余剰分をシールドの修復に充てている。

なので任意のタイミングでの回復は出来ない上に、その修復力も低く、直撃するような事があればリカバリーしきれない恐れもあるので、繊細な立ち回りが求められる。


光里
「我龍絵美、エレクセルケトの撃破を確認」

初戦の成果としては中々良いだろうか。

帰艦した3名を仲間達が出迎え、労う。

絵美
「戻りました…こんな感じで良いでしょうか?」

私が戦闘の総評を出撃した3名に伝える。
今回は特に地衛理の臨機応変さが光っていた。

ピジョンでの支援だけでなく、得意の槍捌きに加えて高出力カノンによる対大型戦でも効果的な打撃を加えていた。

アマ女のエースでもある地衛理。
流石の戦上手だ。

朱音
「ちょっとあれ、どうなってるのよ」

朱音がモニターに分割表示されている、薫子達の進捗を見て呆然とする。


そこには既に浅層のチェックポイントまで制圧した宙域図が写し出されていた。

安里
「こっちはまだ1箇所なのに…早いわね」

美里江
「これは制圧完了予測の修正が必要デスね」



利佳
「こっちも手分けして一気に行かないと、か」

幸か不幸か次の戦闘空域はかなり密集しており、一大勢力を築いているが、まとめて一気に制圧出来る好機でもある。

次はどうするか、誰が出るかでブリーフィングルームが姦しくなる。


利佳
「ここ、アタシともえ…それと、えっと絵美さん、連戦になって悪いけどお願いできる?」

もえ
「利佳さんと一緒!もえがんばりますよー!」

絵美
「あ、はい。大丈夫です。よろしくお願いしますね」



朱音
「じゃ、こっちはわたしが行くわ。文島さんもお願いできる?あと新居目さんも」

明日翔
「は~い、朱音さんと一緒は久しぶりですね~」

安里
「いいわよ、行きましょ」



「なら反対側は唯が。こっちはミアさんと美里江さんにお願いしようかな」

ミア
「分かりました。同行させて頂きますね」

美里江
「了解デス。お任せ下サイ」


メンバーは決まったようだ。

空域の危険度からして、実力的には問題は無いだろうが、朱音が若干焦り気味なのが気になるところだろうか。

明日翔が同行するので大事無いとは思うが。

3チームが同時に発艦し、タイミングを合わせて同時攻撃を仕掛ける。

次回…→これは演習である 3  へ