オーキッシュバイウェイに戻り、奴隷商人…いやこれで足を洗うのだから、元奴隷商人と呼んであげるべき男に怪物を退治したことを伝える。
「おぉ…本当に倒してくれるとは…」
しかしこの男、余程この街が気に入ってるのかしらね?
この手の人間ならさっさと逃げて別の街で奴隷商人を続けるタイプの方が多そうな気もしないでもない。

まぁそれはともかく。
元奴隷商人はわたしに感謝の意を示すと、ある人物から言伝があるという。
何でも今この街にリオシラスが来ていて、わたしと連絡が取りたいと言ってるらしいのだ。
追いかけてくるくらいなら一緒に同行してくれれば良いのに。
その方が色々手っ取り早いような気がする。
わたしは教えてもらった建物に寄り、リオシラスにここまでの経緯を伝えに行く。

「良くやってくれたな」
わたしを見るやリオシラスは称賛の言葉をくれる。
街を怪物から守り、更に奴隷商人を改心させた成果に満足しているようね。
「で、この街を襲った怪物なんだが…オークの国にあれと同様の怪物が発生する場所があると言う。そこを調査してくれないか?」

何でもわたしが追いかけていた調査隊もその怪物発生元となっているその土地に関する調査任務を受けていたようなんだけど、生憎行方不明だ。
リオシラスは調査隊の事は半ば諦めているのかもしれない。
わたしに調査隊の探索を続けながら、その調査隊の任務を代行して欲しいみたい。
取り敢えず今のところわたしにやってほしいことは…
調査隊の足取りを追うこと。
怪物発生元の調査。
そして…オーク族との友好関係の確立。
…だそうだ。

全く面倒な話ね。
まぁ調査隊の足取りを追っていれば自然と同じような道のりを辿ることになるだろうし、そのついでに調べていけば良いか。
わたしはリオシラスと別れると街を出て更に西、オークの国に踏み込んだ。
しかしあの大きな岩男が湧き出てくる場所があるなんてあまり考えたくないわね。
一体どんな場所なのかしら?
リオシラスから聞いた場所に地図とにらめっこしながら向かう。

…ふむ、ここか。
見た感じ随分とマジカが吹き溜まったような感じを受ける。
何と言うか、俗に言うパワースポットってヤツなのかしらね?
この土地自体がマジカを発している、と言うよりは周囲のマジカがここに流れ込んでいるように見える。
そしてどう言うわけかここに多くのオーク(駄洒落とかじゃないわよ)が集まって何かと乱闘を繰り広げている。
$ALWAYS BLUE!-乱闘 大地の精霊

何事か聞いてみると、どうもこの土地に流れ込んだマジカが土地を活性化させて大地から精霊を生み出しているらしい。
そしてその生み出された精霊と力比べして勝ち残ることが一人前の証になるんだそうな。
流石脳筋種族ね。

成程ね。つまりここで生まれた大地の精霊みたいなのが更にマジカを集めて成長するとあの岩男になるのね。
確かにあそこの谷にも変なマジカ溜まりみたいなのがあったから、そのせいであいつが発生したってことか。
理屈は分かった。

あとは話を聞きついでにオーク族の代表みたいな人物がいないか訪ねてみる。
こちらの事情を話すとそのオークはこれ以上話を聞きたければ一人前の証を示せと言う。
それってつまり…あの精霊と戦って来いってことかしら?
兎に角わたしに「力」があるかどうか…友好関係を築くにはまずそれを示さないといけないと言う。
…果てしなく脳筋ね。力が全て、ってわけか。
とは言え信用を得ない事には話が進まない。
わたしはBFGを引っ張り出すとマジカ漂う戦場に身を躍らせた。

「中々やるな…良いだろう」
どれだけの精霊を打ち砕いたか…その様子を見ていたオークも感心しきりだった。
わたしはオーク族の集落を教えてもらうことができた…んだけど、まだ信用を得るには足りないと言う。
その教えてもらった集落は今トロールと戦時下にあり、その助太刀をしてほしいと言う。
全く…そう言うのは自分達で片付けて欲しいものだわ。
何だか良いように戦力として使われてるだけじゃないかしら?と疑ってしまう。
何でこうも面倒なことが次から次に湧いて出てくるのかしらね?