あの誘拐事件のあった湖の村から首都に戻る。
戻ったは良いけど地味にやることがない。
厄介事はそこかしこにあるみたいだけど、自分から首を突っ込みたくはないし…。
でもこのまま龍姫とおしゃべりして日々を過ごしているだけ、と言うわけにもいかないだろう。
何せわたしを見極める、とまで言ってるんだ。
ぼんやりしててただの怠け者と思われて失格とかでは目も当てられない…。
やはり何か行動が必要か、と思い立ち、先日会ったあのリオシラスを訪ねる。
例の世直しおじさんだ。
「ふむ、これは危険な旅になるが…覚悟は良いかね?」
わたしは無言で頷く。
するとリオシラスはこのサイリサイアムの現状に始まり、アンカリアと言う世界がどんな状況なのかを話し始める。
そしてそれに関する調査隊を遠い国まで派遣しているのだが、最近音信不通になってしまったと言う。
「隣国の人間族の国を更に越えて…オーク達の国まで行ってくれないか?」
リオシラスは世界地図を広げ、わたしに行ってほしいと言うオークの国までの道のりを示す。
隣の国どころか更に先、かぁ。流石に結構遠いわね。
でもやはり何か使命的な何かがあった方が良いだろう。
わたしは旅支度を整えるとサイリサイアムを出発し、一路北へ。
そして旅は順風満帆、人間たちの国との国境まで辿り着いた。
ただ、問題はこの国境…すんなりと通ることは出来ない。
特にわたしのような…と言うかリオシラスの様な反体制派、とでも言うのだろうか?
そう言う類の者は不審者として扱われてしまう。
そんなわけで、リオシラスは国境越えに関して一計を案じていた。
まぁ要は抜け道だ。
国境の大きな門を横目にわたしはこそこそと山道に入る。
すると…話に聞いた通り案内人が待っていた。
案内人はわたしを小さな洞穴に案内する。
「ここだ…。この洞窟は国境の向こうまで続いている。俺が案内できるのはここまでだが…うまくやってくれよ?」
全く…まぁまともな道は使えないんだから仕方ないとは言え、このまま山越えかと思っていたけどまさかこんな小さな洞窟が抜け道、とはねぇ。
わたしは大柄な龍姫の身体で匍匐前進するように洞穴に入る。
普段のわたしの体格ならもうちょっと楽に通れたんだろうけど…まぁこればかりは仕方ないわね。
(あまりわらわの身体にキズをつけてくれるなよ?)
本人はあまり怪我の事なんか気にしていないように冗談めかした風な事を言う。
狭いのは入り口だけだったみたいで、すこし這い進むと普通に立って歩けるくらいの洞窟に出ることが出来た。
あとはこの洞窟の先に進めば…取り敢えず人間の国とやらに入れるはずだ。
それにしても人間の国、ねぇ。
どんなところなのかしら。
戻ったは良いけど地味にやることがない。
厄介事はそこかしこにあるみたいだけど、自分から首を突っ込みたくはないし…。
でもこのまま龍姫とおしゃべりして日々を過ごしているだけ、と言うわけにもいかないだろう。
何せわたしを見極める、とまで言ってるんだ。
ぼんやりしててただの怠け者と思われて失格とかでは目も当てられない…。
やはり何か行動が必要か、と思い立ち、先日会ったあのリオシラスを訪ねる。
例の世直しおじさんだ。
「ふむ、これは危険な旅になるが…覚悟は良いかね?」
わたしは無言で頷く。
するとリオシラスはこのサイリサイアムの現状に始まり、アンカリアと言う世界がどんな状況なのかを話し始める。
そしてそれに関する調査隊を遠い国まで派遣しているのだが、最近音信不通になってしまったと言う。
「隣国の人間族の国を更に越えて…オーク達の国まで行ってくれないか?」
リオシラスは世界地図を広げ、わたしに行ってほしいと言うオークの国までの道のりを示す。
隣の国どころか更に先、かぁ。流石に結構遠いわね。
でもやはり何か使命的な何かがあった方が良いだろう。
わたしは旅支度を整えるとサイリサイアムを出発し、一路北へ。
そして旅は順風満帆、人間たちの国との国境まで辿り着いた。
ただ、問題はこの国境…すんなりと通ることは出来ない。
特にわたしのような…と言うかリオシラスの様な反体制派、とでも言うのだろうか?
そう言う類の者は不審者として扱われてしまう。
そんなわけで、リオシラスは国境越えに関して一計を案じていた。
まぁ要は抜け道だ。
国境の大きな門を横目にわたしはこそこそと山道に入る。
すると…話に聞いた通り案内人が待っていた。
案内人はわたしを小さな洞穴に案内する。
「ここだ…。この洞窟は国境の向こうまで続いている。俺が案内できるのはここまでだが…うまくやってくれよ?」
全く…まぁまともな道は使えないんだから仕方ないとは言え、このまま山越えかと思っていたけどまさかこんな小さな洞窟が抜け道、とはねぇ。
わたしは大柄な龍姫の身体で匍匐前進するように洞穴に入る。
普段のわたしの体格ならもうちょっと楽に通れたんだろうけど…まぁこればかりは仕方ないわね。
(あまりわらわの身体にキズをつけてくれるなよ?)
本人はあまり怪我の事なんか気にしていないように冗談めかした風な事を言う。
狭いのは入り口だけだったみたいで、すこし這い進むと普通に立って歩けるくらいの洞窟に出ることが出来た。
あとはこの洞窟の先に進めば…取り敢えず人間の国とやらに入れるはずだ。
それにしても人間の国、ねぇ。
どんなところなのかしら。