学校で過ごす昼休み。
わたしは何時もの様に春花、穂波と一緒にお昼を食べる。
他愛のないお喋りと共にのんびりと昼休みが過ぎていく。
わたしは穂波のお弁当の食べ方を見ていてふと思う。
この子は本当に極端な食べ方をするのよね。
何と言うか、食べる順番が明確に決まっている。
まず嫌いなものを真っ先に食べ尽くしてからご飯と好きなおかずを嬉しそうに食べる。
まぁその気持ちは分からないでもない。
ここまで極端では無いものの、わたしも似たような傾向があるし。
わたしの場合は大体万遍なく食べて、最後の一口を好きなおかずで締める、って感じなんだけどね。
とにかく、穂波のそんなお弁当の食べ方を見ていてあることを思いつく。
「ねぇ、二人とも。次はどこのアビスに行こうか?」
「そうですわね…どこ、と言われましても…とにかく行ってみないことにはブラッドサンプルもあるかどうか分かりませんし」
わたしの問いかけに春花が答える。
内容は至極真っ当で当然な返答だ。だからぶっちゃけるとどこでも良いってことになる。
ブラッドサンプルは新たに突入許可が下りたアビスにあるとは限らない。
現に神楽川閉鎖区にも二つ有ったし。
だからとにかくあちこち入ってみてブラッドサンプルの反応をチェックしていかないと見付けられないのだ。
とは言えやはり探索で空振りしたくはない。
そこでわたしはちょっと占いをしてみたんだけど…結果は芳しくない。
どうもブラッドサンプルが見付かりそうなところは…青山の霊園アビスと遊霊病棟と言うお化け屋敷がアビス化した場所に有りそうなのだ。
霊園にお化け屋敷…どちらも穂波の鬼門だ。
そこでどうやって穂波を説得しようかな、と昨夜から考えていたんだけど…今の食事風景を見ていてピンと来た。
「ちょっと占ってみたんだけど、どうも青山の霊園とか遊霊病棟辺りにありそうなのよね」
わたしがそう言うと穂波の身体が目に見えてびくっと震える。
「えー…そう言うのは最後の方にしようよ」
やはりこう言う反応になるわよね。
「ねぇ穂波。ブラッドサンプルがどこにあるか分からないし、幾つ要るのかも分からないのよ?だったら出来るだけ効率良く集めてさっさと終わらせたいと思わない?」
「うーん、それはそうだけど…でもお墓とかお化け屋敷には行きたくないよ」
「ねぇそう言えば穂波ってご飯食べる時、嫌いな物から食べるタイプよね?」
「え?…うん、そう言われてみればそうかも?」
…この子は無意識であんな食べ方してたのか。てっきり意識してやってるんだと思ってたけど。
「探索も同じことが言えるんじゃないかしら?先に嫌な所を済ませておけば後の方は気楽に探索できるとわたしは思うんだけど?」
「そうかなぁ…?」
「それに海斗も言ってたでしょ?ブラッドサンプルは回収する程に異形が活性化する、って」
「うん、そんなこと言ってたかも」
「ってことは…最後の方にお化け屋敷とかお墓に行くことになったら…どうなると思う?」
「え?」
「ブラッドサンプルもかなりの数が集まってからお墓とかに行くのよ?きっと異形も相当な強さになってると思うの」
「…!!!」
穂波が驚きで目を丸くする。
でもこれは事実だ。霊園やお化け屋敷に出てくる異形なんて大体が超常体に決まってる。
それがブラッドサンプルで活性化してくるとなれば…穂波にとっては更に脅威度が上がることになる。
「どうする?」
「…うん、わかったよ」
穂波はがっくりと項垂れ、観念したように返事する。
…ごめんね。
心の中で穂波に謝る。
ぶっちゃけ言うとこの二か所に行かなくてもブラッドサンプルが必要数集まる可能性も無くはない。
もしそうなったら完全に穂波を無駄に怖がらせただけってことになってしまう。
でもこれは戦いだ。
何時黒騎士が何かを仕掛けてくるかも分からない。
出来るだけ早く対策を講じないと色々マズイ。
だから心を鬼にしてでも探索を急がないといけないのよね。
とにかくそんなわけで次の方針は決まった。
後はわたしの占いが当たってることを祈るだけね。
まぁ占いは結構得意だから十中八九当たるだろうけど。
そして夕刻。
わたし達は青山の霊園アビスに突入した。
わたしは何時もの様に春花、穂波と一緒にお昼を食べる。
他愛のないお喋りと共にのんびりと昼休みが過ぎていく。
わたしは穂波のお弁当の食べ方を見ていてふと思う。
この子は本当に極端な食べ方をするのよね。
何と言うか、食べる順番が明確に決まっている。
まず嫌いなものを真っ先に食べ尽くしてからご飯と好きなおかずを嬉しそうに食べる。
まぁその気持ちは分からないでもない。
ここまで極端では無いものの、わたしも似たような傾向があるし。
わたしの場合は大体万遍なく食べて、最後の一口を好きなおかずで締める、って感じなんだけどね。
とにかく、穂波のそんなお弁当の食べ方を見ていてあることを思いつく。
「ねぇ、二人とも。次はどこのアビスに行こうか?」
「そうですわね…どこ、と言われましても…とにかく行ってみないことにはブラッドサンプルもあるかどうか分かりませんし」
わたしの問いかけに春花が答える。
内容は至極真っ当で当然な返答だ。だからぶっちゃけるとどこでも良いってことになる。
ブラッドサンプルは新たに突入許可が下りたアビスにあるとは限らない。
現に神楽川閉鎖区にも二つ有ったし。
だからとにかくあちこち入ってみてブラッドサンプルの反応をチェックしていかないと見付けられないのだ。
とは言えやはり探索で空振りしたくはない。
そこでわたしはちょっと占いをしてみたんだけど…結果は芳しくない。
どうもブラッドサンプルが見付かりそうなところは…青山の霊園アビスと遊霊病棟と言うお化け屋敷がアビス化した場所に有りそうなのだ。
霊園にお化け屋敷…どちらも穂波の鬼門だ。
そこでどうやって穂波を説得しようかな、と昨夜から考えていたんだけど…今の食事風景を見ていてピンと来た。
「ちょっと占ってみたんだけど、どうも青山の霊園とか遊霊病棟辺りにありそうなのよね」
わたしがそう言うと穂波の身体が目に見えてびくっと震える。
「えー…そう言うのは最後の方にしようよ」
やはりこう言う反応になるわよね。
「ねぇ穂波。ブラッドサンプルがどこにあるか分からないし、幾つ要るのかも分からないのよ?だったら出来るだけ効率良く集めてさっさと終わらせたいと思わない?」
「うーん、それはそうだけど…でもお墓とかお化け屋敷には行きたくないよ」
「ねぇそう言えば穂波ってご飯食べる時、嫌いな物から食べるタイプよね?」
「え?…うん、そう言われてみればそうかも?」
…この子は無意識であんな食べ方してたのか。てっきり意識してやってるんだと思ってたけど。
「探索も同じことが言えるんじゃないかしら?先に嫌な所を済ませておけば後の方は気楽に探索できるとわたしは思うんだけど?」
「そうかなぁ…?」
「それに海斗も言ってたでしょ?ブラッドサンプルは回収する程に異形が活性化する、って」
「うん、そんなこと言ってたかも」
「ってことは…最後の方にお化け屋敷とかお墓に行くことになったら…どうなると思う?」
「え?」
「ブラッドサンプルもかなりの数が集まってからお墓とかに行くのよ?きっと異形も相当な強さになってると思うの」
「…!!!」
穂波が驚きで目を丸くする。
でもこれは事実だ。霊園やお化け屋敷に出てくる異形なんて大体が超常体に決まってる。
それがブラッドサンプルで活性化してくるとなれば…穂波にとっては更に脅威度が上がることになる。
「どうする?」
「…うん、わかったよ」
穂波はがっくりと項垂れ、観念したように返事する。
…ごめんね。
心の中で穂波に謝る。
ぶっちゃけ言うとこの二か所に行かなくてもブラッドサンプルが必要数集まる可能性も無くはない。
もしそうなったら完全に穂波を無駄に怖がらせただけってことになってしまう。
でもこれは戦いだ。
何時黒騎士が何かを仕掛けてくるかも分からない。
出来るだけ早く対策を講じないと色々マズイ。
だから心を鬼にしてでも探索を急がないといけないのよね。
とにかくそんなわけで次の方針は決まった。
後はわたしの占いが当たってることを祈るだけね。
まぁ占いは結構得意だから十中八九当たるだろうけど。
そして夕刻。
わたし達は青山の霊園アビスに突入した。