だが地下鉄で待ち構えていたのは天羽ではなく…黒騎士だった。
わたし達に緊張が走る!
何でこんな所に…やはり天羽と黒騎士には何か繋がりがあると考えるべきか。

「待っていたぞ…」
黒騎士はそれだけ言うと突然何かスペルコードの様なものを撃ち放つ!
それを受けてしまったわたし達は…コードライズが解かれ、何時もの制服姿に戻されてしまう。

「これは!?」
まずい…何だか分からないけどコードライズしてないと戦うどころの騒ぎじゃない。
「この地獄でお前らは無力だ」
黒騎士の力 
黒騎士の余裕ある低い声が耳に届く。

ここは逃げるべきか!?
でも初めて黒騎士に会った時の様にまた追い詰められるかもしれない…さりとて抵抗するにしても…。

「逃げるわよ!」
わたしは一瞬の迷いはしたが、二人に声をかけて黒騎士に背を向ける…が既に背後には異形の群れが迫っていた。
囲まれてる!
その時端末に通信が入る。

「現在皆さんはバーンアウト(燃え尽き症候群)とコードブレイクを併発しています!急いで脱出してください」
そうは言うけど…容易に逃がしてくれるような相手ではない。
わたしは一つ呼吸を整えると、背後の異形の群れに走り出す!

幸い小型の異形が多い。倒すことは出来ないにしても強行突破くらいは出来るかもしれない。
わたし達の必死の突破によって何とか地下鉄からの脱出は成功。
緊急事態に出動していた医療班と合流し、わたし達の身に起きた異常の処置をしてもらう。
特にバーンアウトは危険な状態で、処置を間違うとコードライズ適正を失ってしまいかねない。

そして司令部に戻り今回の一件について報告。
どうもわたし達が受けたあのスペルコードが生命力奪取…「デスヘイル」と呼ばれる攻撃らしい。
そのデスヘイルは生身で受ければ急老症になってしまうんだけど、わたし達はコードライズしてたから効果が違った形で発症したと言う見解に落ち着いた。

「あのデスヘイルに対する手段が無いと黒騎士との戦闘はかなり厳しいものになりますね」
流石の海斗もすぐには対応策が思い付かないようで、難しい顔をしている。
まったくこの先どうなるのかしらね?