「待っていたぞ」
現場ではXPD捜査課の不破さんが待ち構えていた。
面子も揃ったし始めるか、と言った段になってしずなが走ってきた。
「良いのか?司令部をあけて」
「うん、さっき隊長と通信が取れてね。許可はもらってきたわ」
ならば、と改めて状況の確認が行われる。
行方不明になった女学生の数はまだ不明。ただ監視カメラの画像や遺留品の数からみて一人二人じゃ済まないらしい。
そして拉致から経過した時間…これまでの統計から見てもそろそろ”デッドエンド”…まぁ実際に死ぬわけでは無いようだけど、あの急老症のやられてしまう頃合いのようだ。
ぐずぐずしてられない。一刻も早く出撃しないと…でもこの星条ビル、かなり大きな建物で西口、東口に分かれている。
「じゃぁ二手に分かれましょ」
しずなが提案するが不破さんがそれに異を唱える。
「見ろ。このビルは途中からツインタワーになっている。入り口から二手に分かれても合流は難しいぞ」
見れば確かに上層階の方は二股に分かれている。
「うーん…じゃぁ屋上から入れます?」
しずながヘリからファストロープで強襲降下できないか提案する。
そしてわたし達が下から探索して中腹辺りで合流と言う算段だ。
「確かにヘリポートはあるから不可能ではないが…まったくまさか空からアビスに入ろうとはな」
流石に想定してなかった事態に不破さんも苦笑しながらヘリの手配をする。
「あとエレベータの非常電源を入れておくから探索の際に使うと良い」
これはわたし達向けのアドバイス。
わたしは会釈でお礼すると目の前にある東口からビルに突入した。
「コードライズ!」
「code-realize!」
ぽちぽち、ぽち。
相変わらずの変身シーン。
でも今回はちょっと穂波に変化があった。
この前までは小振りの剣だったのが、何だか穂先が青白く光る槍になっていた。
…これが春花のあげた「お守り」か。
一体どんな効果があるのやら。
内部は先日ちょっと入った時に見て回っていたのである程度は理解している。
エレベータホールはビルの中央辺りだ。
前に来たときは動かなかったので諦めたけど、今日は電源が通ってる。これで上まで楽に行けるはずだ…と思ったんだけど、エレベータはうんともすんとも言わない。
ボタンをポチポチ連打してみるけどやはり反応してくれない。
その様子を見ていたのか、司令部から連絡が入る。
「おかしいですね…エレベータの非常用電源は確かに作動している筈なんですが…」
海斗が首を捻る。
「異形の中には電気エネルギーを餌にするタイプのものもいるので、ひょっとしたらその類の奴に電気を奪われてるのかもしれません」
しばらく黙考の後、そう推測を立てる。
つまりその電気を食ってるヤツをどうにかしないといけない、ってことか。
まったく面倒臭いわね。
結局わたし達はまた星条ビルの中をうろうろする羽目になる。
アビス化と言う現象は中々に厄介で外からの見た目ではそうは見えないんだけど、内部構造はかなり大きく変化してしまっている。
本来なら通路が通っているだろう所に壁が出来てしまっていたり、一筋縄では踏破できない。
場合によってはワザと落とし穴に掛かったりしないといけないこともある。
とにかく各階、と言っても今のところ行けるのは一階と地下階だけなんだけど、そのエレベータ周辺を調べるべく道を探す。
一階部分はあの通りで特に何もいなかったので、地下階を重点的に探索する。
これで原因が別の階だったりしたら手詰まりよねぇ。
そう思いながら地下のエレベータに辿り着く。
おぉ、いるいる。何かクラゲを細くしたような変なのが配電盤の辺りにたかってる。
あれが電気を食ってるのか。
わたしは弓を構えるとまずは挨拶代りに一射!
お食事を邪魔されて頭に来たのか細クラゲがこっちに向かってふらふら飛んでくる。
そのクラゲとわたしの間に穂波が割って入り戦闘開始!
穂波が光る槍を振り回してクラゲを引き付けているところをわたしが矢で射抜く。
春花は穂波をスペルコードでフォローする。
何時ものお決まりのパターン。
クラゲは程なく地に落ち干からびてしまった。
するとエレベータもボタンやコンソールに光が灯り、どうやら動けるようになったみたい。
それじゃ行きますか。

現場ではXPD捜査課の不破さんが待ち構えていた。
面子も揃ったし始めるか、と言った段になってしずなが走ってきた。
「良いのか?司令部をあけて」
「うん、さっき隊長と通信が取れてね。許可はもらってきたわ」
ならば、と改めて状況の確認が行われる。
行方不明になった女学生の数はまだ不明。ただ監視カメラの画像や遺留品の数からみて一人二人じゃ済まないらしい。
そして拉致から経過した時間…これまでの統計から見てもそろそろ”デッドエンド”…まぁ実際に死ぬわけでは無いようだけど、あの急老症のやられてしまう頃合いのようだ。
ぐずぐずしてられない。一刻も早く出撃しないと…でもこの星条ビル、かなり大きな建物で西口、東口に分かれている。
「じゃぁ二手に分かれましょ」
しずなが提案するが不破さんがそれに異を唱える。
「見ろ。このビルは途中からツインタワーになっている。入り口から二手に分かれても合流は難しいぞ」
見れば確かに上層階の方は二股に分かれている。
「うーん…じゃぁ屋上から入れます?」
しずながヘリからファストロープで強襲降下できないか提案する。
そしてわたし達が下から探索して中腹辺りで合流と言う算段だ。
「確かにヘリポートはあるから不可能ではないが…まったくまさか空からアビスに入ろうとはな」
流石に想定してなかった事態に不破さんも苦笑しながらヘリの手配をする。
「あとエレベータの非常電源を入れておくから探索の際に使うと良い」
これはわたし達向けのアドバイス。
わたしは会釈でお礼すると目の前にある東口からビルに突入した。
「コードライズ!」
「code-realize!」
ぽちぽち、ぽち。
相変わらずの変身シーン。
でも今回はちょっと穂波に変化があった。
この前までは小振りの剣だったのが、何だか穂先が青白く光る槍になっていた。
…これが春花のあげた「お守り」か。
一体どんな効果があるのやら。
内部は先日ちょっと入った時に見て回っていたのである程度は理解している。
エレベータホールはビルの中央辺りだ。
前に来たときは動かなかったので諦めたけど、今日は電源が通ってる。これで上まで楽に行けるはずだ…と思ったんだけど、エレベータはうんともすんとも言わない。
ボタンをポチポチ連打してみるけどやはり反応してくれない。
その様子を見ていたのか、司令部から連絡が入る。
「おかしいですね…エレベータの非常用電源は確かに作動している筈なんですが…」
海斗が首を捻る。
「異形の中には電気エネルギーを餌にするタイプのものもいるので、ひょっとしたらその類の奴に電気を奪われてるのかもしれません」
しばらく黙考の後、そう推測を立てる。
つまりその電気を食ってるヤツをどうにかしないといけない、ってことか。
まったく面倒臭いわね。
結局わたし達はまた星条ビルの中をうろうろする羽目になる。
アビス化と言う現象は中々に厄介で外からの見た目ではそうは見えないんだけど、内部構造はかなり大きく変化してしまっている。
本来なら通路が通っているだろう所に壁が出来てしまっていたり、一筋縄では踏破できない。
場合によってはワザと落とし穴に掛かったりしないといけないこともある。
とにかく各階、と言っても今のところ行けるのは一階と地下階だけなんだけど、そのエレベータ周辺を調べるべく道を探す。
一階部分はあの通りで特に何もいなかったので、地下階を重点的に探索する。
これで原因が別の階だったりしたら手詰まりよねぇ。
そう思いながら地下のエレベータに辿り着く。
おぉ、いるいる。何かクラゲを細くしたような変なのが配電盤の辺りにたかってる。
あれが電気を食ってるのか。
わたしは弓を構えるとまずは挨拶代りに一射!
お食事を邪魔されて頭に来たのか細クラゲがこっちに向かってふらふら飛んでくる。
そのクラゲとわたしの間に穂波が割って入り戦闘開始!
穂波が光る槍を振り回してクラゲを引き付けているところをわたしが矢で射抜く。
春花は穂波をスペルコードでフォローする。
何時ものお決まりのパターン。
クラゲは程なく地に落ち干からびてしまった。
するとエレベータもボタンやコンソールに光が灯り、どうやら動けるようになったみたい。
それじゃ行きますか。