翌日改めて学園で授業の合間を使って噂話に耳を傾けたりしたけど、急老症に関してはまだ都市伝説程度の認識っぽい感じみたいね。
とは言え休憩時間程度ではそんなに細かい話を聞くことも出来ないし、やはり本格的に聞き込みできるのは放課後か。
今日は公園には近寄らないようにしよう…またあの子に出くわすとややこしいことになるだろうし。
そう思い今日は電車通学の学生が使う駅に来た。
すると学園の制服を着ている人の中で一際目を引く人が居る。
どうもアカヴィリ人じゃないみたいね…留学生かしら?
聞き込みは別に誰に対して行っても問題ないはずだし、折角目に付いたんだ。
ちょっと話を聞いてみよう。
と話しかけたまでは良かったんだけど…。
何だか良く分からないけど、どうもこの人はうつ病持ちなのかもしれない。
ぶつぶつと「もう充分でしょう?」とか「どうして子供たち同士で争わないといけないんですか?」とかわけの分からないことばかり呟く。
そして「貴女達にも何時か分かりますよ」と言い残して雑踏の中にその姿を紛れさせてしまう。
一体何だったのかしら?ダウナー系の中二病って雰囲気でもなかったけど。
でも何だかヘンな感じ。あの人多分何か知ってる。
わたしの直感でしかないけど、そんな気がする。
一旦わたし達は学園に戻りエクスの司令部に出頭する。
あまり実りの無い情報収集だったけど、結果は報告しないといけない。
隊長不在なので、副隊長のしずなと情報解析等を担当する海斗に今回の結果を伝える。
「やっぱりまだ世間では都市伝説程度の認識、かぁ」
「そうですね。あと気になったのはその駅で会った男子生徒…天羽ヴェルンですね」
え?何でもう名前知ってるの?わたし達はその彼から名前を聞くことすらできなかったのに。
一体どうなってるのか聞いてみるとどうも学生の行きそうな所には監視システムが配備されていて、わたし達の聞き込みの様子とかもチェックされていたらしい。
それでその画像から照合して個人を特定できたんだと言う。
「現状ではこの”天羽ヴェルン”を要注意人物リストに入れて監視、ですかね。迂闊にこちらから手を出して藪蛇することもないでしょう」
それにしても天羽ヴェルン、かぁ。アカヴィリ人ではないと思ったけど、名前からしてハーフか何かなのかしらね?
そんなことを思っていると司令部に緊急連絡が入る。
何やら行方不明事件、と言うか神隠しの様なものが起こったらしい。そしてどうも被害者はアビスに入ってしまった可能性が高いとのこと。
そうなるとわたし達の出番だ。
今回の現場は神楽川閉鎖区。広域に渡って水が存在するややこしいアビスだそうだ。
わたし達が現場に到着するとすでにXPDの捜査課の人達が待機していた。
その中に一人指揮官と思われるサングラスをかけてくわえタバコの男が居る。
「…お前達とは初めてだな。俺はXPD捜査課の不破雄作だ。手短に状況を説明するぞ」
この神楽川はアカヴィリ…どころか世界有数の電気街であり漫画やアニメ、ゲームと言ったサブカルチャーを世界に発信する街、遊葉町(通称アソバ)にある。
学校帰りの学生達が立ち寄ったまでは良かったんだけど、その学生グループの一人が突然行方不明になってしまった。
それと時を同じくしてアビスの警戒監視を行っていたXPDの方でもアビスへの侵入者を認識。
恐らくその学生グループの一人が迷い込んでしまったのだろうとのこと。
今回はその学生の救助が目的だ。
説明を聞き終わり、わたし達はアビスに踏み込む。
「コードライズ!」
「code-realize!」
発音が流暢な方が春花だ。何でもコードリアライズと言うのが正確な発音らしい。「コードを顕現化する」って意味かしらね。
そしてその傍らで穂波が端末をぽちぽちやってる。
「ねぇ、穂波。音声認識の方が楽だし早いって」
「え~…なんだか恥ずかしいよ」
「そんなことないって大丈夫。お姉ちゃん達と一緒に大人の階段(←中二病のこと)、昇ってみない?」
「う~…ひかりんが言うと何だかあやしいよ」
随分と信用無いのね、わたしって。
そんなやり取りを経ていざ出陣。
わたし達のレベルからするとちょっとキツめの異形が出るらしいんだけど、今回は特に交戦することもなく被害者を発見することが出来た。
出来たんだけど…時既に時間切れ。
被害者は急老症にやられていた。
春花が手早く通信して救助班を出してもらう。
「お疲れ。任務ご苦労様。一部始終見ていたけど一応報告お願いね」
司令部に戻り出迎えてくれたのはしずな副隊長。
顛末は全部知ってるけど一応形式と言うか手続き的な意味でわたし達が今回の件について経過を報告する。
しかし急老症、ねぇ。
あのアビスって場所で一体何が起こってるのかしら。
とは言え休憩時間程度ではそんなに細かい話を聞くことも出来ないし、やはり本格的に聞き込みできるのは放課後か。
今日は公園には近寄らないようにしよう…またあの子に出くわすとややこしいことになるだろうし。
そう思い今日は電車通学の学生が使う駅に来た。
すると学園の制服を着ている人の中で一際目を引く人が居る。
どうもアカヴィリ人じゃないみたいね…留学生かしら?
聞き込みは別に誰に対して行っても問題ないはずだし、折角目に付いたんだ。
ちょっと話を聞いてみよう。
と話しかけたまでは良かったんだけど…。
何だか良く分からないけど、どうもこの人はうつ病持ちなのかもしれない。
ぶつぶつと「もう充分でしょう?」とか「どうして子供たち同士で争わないといけないんですか?」とかわけの分からないことばかり呟く。
そして「貴女達にも何時か分かりますよ」と言い残して雑踏の中にその姿を紛れさせてしまう。
一体何だったのかしら?ダウナー系の中二病って雰囲気でもなかったけど。
でも何だかヘンな感じ。あの人多分何か知ってる。
わたしの直感でしかないけど、そんな気がする。
一旦わたし達は学園に戻りエクスの司令部に出頭する。
あまり実りの無い情報収集だったけど、結果は報告しないといけない。
隊長不在なので、副隊長のしずなと情報解析等を担当する海斗に今回の結果を伝える。
「やっぱりまだ世間では都市伝説程度の認識、かぁ」
「そうですね。あと気になったのはその駅で会った男子生徒…天羽ヴェルンですね」
え?何でもう名前知ってるの?わたし達はその彼から名前を聞くことすらできなかったのに。
一体どうなってるのか聞いてみるとどうも学生の行きそうな所には監視システムが配備されていて、わたし達の聞き込みの様子とかもチェックされていたらしい。
それでその画像から照合して個人を特定できたんだと言う。
「現状ではこの”天羽ヴェルン”を要注意人物リストに入れて監視、ですかね。迂闊にこちらから手を出して藪蛇することもないでしょう」
それにしても天羽ヴェルン、かぁ。アカヴィリ人ではないと思ったけど、名前からしてハーフか何かなのかしらね?
そんなことを思っていると司令部に緊急連絡が入る。
何やら行方不明事件、と言うか神隠しの様なものが起こったらしい。そしてどうも被害者はアビスに入ってしまった可能性が高いとのこと。
そうなるとわたし達の出番だ。
今回の現場は神楽川閉鎖区。広域に渡って水が存在するややこしいアビスだそうだ。
わたし達が現場に到着するとすでにXPDの捜査課の人達が待機していた。
その中に一人指揮官と思われるサングラスをかけてくわえタバコの男が居る。
「…お前達とは初めてだな。俺はXPD捜査課の不破雄作だ。手短に状況を説明するぞ」
この神楽川はアカヴィリ…どころか世界有数の電気街であり漫画やアニメ、ゲームと言ったサブカルチャーを世界に発信する街、遊葉町(通称アソバ)にある。
学校帰りの学生達が立ち寄ったまでは良かったんだけど、その学生グループの一人が突然行方不明になってしまった。
それと時を同じくしてアビスの警戒監視を行っていたXPDの方でもアビスへの侵入者を認識。
恐らくその学生グループの一人が迷い込んでしまったのだろうとのこと。
今回はその学生の救助が目的だ。
説明を聞き終わり、わたし達はアビスに踏み込む。
「コードライズ!」
「code-realize!」
発音が流暢な方が春花だ。何でもコードリアライズと言うのが正確な発音らしい。「コードを顕現化する」って意味かしらね。
そしてその傍らで穂波が端末をぽちぽちやってる。
「ねぇ、穂波。音声認識の方が楽だし早いって」
「え~…なんだか恥ずかしいよ」
「そんなことないって大丈夫。お姉ちゃん達と一緒に大人の階段(←中二病のこと)、昇ってみない?」
「う~…ひかりんが言うと何だかあやしいよ」
随分と信用無いのね、わたしって。
そんなやり取りを経ていざ出陣。
わたし達のレベルからするとちょっとキツめの異形が出るらしいんだけど、今回は特に交戦することもなく被害者を発見することが出来た。
出来たんだけど…時既に時間切れ。
被害者は急老症にやられていた。

春花が手早く通信して救助班を出してもらう。
「お疲れ。任務ご苦労様。一部始終見ていたけど一応報告お願いね」
司令部に戻り出迎えてくれたのはしずな副隊長。
顛末は全部知ってるけど一応形式と言うか手続き的な意味でわたし達が今回の件について経過を報告する。
しかし急老症、ねぇ。
あのアビスって場所で一体何が起こってるのかしら。