大阪のホームページ制作会社「株式会社トレンドメイク」が破産したことで、同社にホームページの制作・管理を依頼していた方から「どうすればいいか分からない」という声が相次いでいます。

管財人から書類が届いてはみたものの、法律用語や手続きの説明が並んでいて、ホームページやITに詳しくない方にとっては何が書いてあるのかさっぱり……という状況も多いようです。しかも管財人側は必要最低限の手続きしか行ってくれません。

こうした状況の中、「今のホームページはこのまま使えるの?」「info@〇〇.com のメールはどうなる?」「そもそも何から手をつければいい?」といった不安を抱えられている方がたくさんいらっしゃいます。

この記事では、そんな方に向けて、今回のケースで大きな問題となるドメイン・ホームページデータ・メールの3つに分けて、対応方法をできるだけ分かりやすく整理します。

まず確認すべきものは「ドメイン・ホームページ・メール」

混乱を避けるために、まず3つの要素を分けて理解しておきましょう。

ドメインは、ホームページの「住所」にあたるものです。example.com のような、URLに含まれる部分を指します。ホームページデータは、ページに表示されている文章・画像・WordPressの仕組みなど、ホームページの「中身」そのものです。メールは、info@example.com のような独自ドメインのメールアドレスを指します。

この3つが別々のものであることが、今回の対応を理解するうえで最も重要なポイントです。

  • ドメインの手続きだけでは、ホームページ本体のデータは移りません
  • ホームページデータの手続きだけでは、URLやメールは守れません
  • メールを使っている場合は、ホームページとは別に確認が必要です

それぞれについて、以下で詳しく説明します。

今のホームページを使い続けるには、HPデータ移管が必要

現在のホームページをそのまま使い続けたい場合、管財人へのHPデータ移管申込が必要です。

管財人から提供されるのは、WordPressに「管理者」としてログインするためのIDとパスワードです。このIDとパスワードを使って、顧客側が自らデータの移管作業を行う必要があります。

つまり、管財人はあくまでログイン情報を渡すところまでしか行いません。実際にホームページを別のサーバーへ移す引っ越し作業は、利用者側(または依頼した専門業者)が実施する必要があります。

現在のサーバーはそのまま使い続けられない

「今ホームページが表示されているから大丈夫」と思っている方もいるかもしれませんが、現在表示されているからといって、そのまま使い続けられるわけではありません。

現在のサーバーはトレンドメイク名義で契約されているため、契約を継続することができません。管財人の資料によれば、数か月後には契約が終了する可能性があるとされています。

ホームページが突然表示されなくなる前に、できるだけ早めに状況を確認し、別サーバーへの移行を進めることをお勧めします。

ドメインを使い続けるには、ドメイン承継の手続きが必要

今のURL(ドメイン)を引き続き使いたい場合は、ドメイン承継の手続きが必要です。ドメインはホームページの「住所」ですので、これが変わると、検索エンジンの評価やお客さまからの信頼にも影響が出る可能性があります。

手続きの流れとしては、まず申込書を管財人へ提出し、管財人がWhois情報をもとに申込者がそのドメインの「登録者」であることを確認します。確認が取れれば、指定したメールアドレス宛にAuthCodeが送られてきます。

AuthCodeとは、ドメインを別の管理会社へ移すために必要な認証コードです。このAuthCodeを受け取った後の移管作業は、利用者側で行う必要があります。管財人が行うのはAuthCodeの提供までです。

ホームページデータ移管には11万円が必要

HPデータ移管の申込には、費用として11万円(税込)の支払いが必要です。複数のドメインを利用している場合は、ドメイン1件ごとに11万円が必要になります。

注意が必要なのは、この11万円はあくまで管財人へ支払う費用であって、ホームページを別サーバーへ移す作業費とは別だという点です。

今のサイトを使い続けるためには、「管財人への手続き」と「サーバー引っ越し作業」の両方が必要になることを念頭においておきましょう。

11万円を支払わない場合、今のサイトをそのまま使うことは前提にできない

「11万円を払わずに、今のサイトをそのままコピーして使えばいいのでは」と考える方もいるかもしれません。しかし、これは避けるべき考え方です。

管財人の資料によれば、ホームページはトレンドメイクが制作したものであり、著作権はトレンドメイクに帰属しています。そのため、著作権の譲渡という観点から費用が設定されており、HPデータ移管手続きを経ずに今のホームページをそのまま使用することは前提にできません。

11万円を支払わない場合の選択肢は、自社で用意できる文章・写真・ロゴなどを使って、一から新しいホームページを作ることになります。

メールはどうなる?過去メールを残せるかは状況による

info@会社名.com のような独自ドメインのメールを使っている場合も、確認が必要です。過去のメールが残せるかどうかは、現在の使い方によって大きく変わります。

OutlookやThunderbirdなどのメールソフトを使っている場合、メールデータは端末内に保存されていることが多く、引き続き参照できる可能性があります。一方、Webメール(ブラウザでメールを確認するタイプ)だけを使っていた場合は、サーバーが停止した後に過去メールを見られなくなる可能性があります。

まず確認しておきたいのは、以下の4点です。

  • 使用しているメールアドレス
  • 利用中のメールソフト(あるいはWebメールのみか)
  • メールのパスワード
  • 端末内へのメール保存状況

なお、管財人の資料には過去メールの移行保証や具体的な手順は記載されていないため、メールについては「必ず残せる」とは言い切れません。状況に応じて早めに確認することをお勧めします。

トレンドメイク制作サイトを使い続けたい場合の基本的な流れ

全体の流れを番号順に整理します。

  1. 今のURLを使い続けるか確認する
  2. ドメイン承継申込を行う
  3. HPデータ移管申込を行う
  4. 管財人へ11万円を支払う
  5. AuthCodeを受け取る
  6. WordPressのID・パスワードを受け取る
  7. 新しいサーバーを用意する
  8. ホームページを新しいサーバーへ移す
  9. メールを使っている場合はメール設定を確認する
  10. ホームページの表示・問い合わせフォーム・メールの送受信を確認する

ドメイン承継とHPデータ移管は別の手続きです。どちらも必要な場合は、両方の申込が必要になります。

自分で判断するのが難しい場合は無料相談をご利用ください

「管財人から書類が届いたけど、何をすればいいか分からない」「自分の場合はどの手続きが必要なのか」「そもそも今の状況を誰かに整理してほしい」——そんな方は、お気軽にご相談ください。

弊社では、ホームページ制作・移管の専門家としての立場から、ドメインやサーバーまわりのことについて無料でアドバイスを行っています。法律的な判断や管財人への対応については弁護士などの専門家にお問い合わせいただく必要がありますが、「何から手をつければいいか分からない」という段階からでも、一緒に状況を整理することができます。

お困りでしたら、ぜひ一度ご相談ください。