第173回 探偵は「自分の得意な方法だけで問題を解決しようとしない人」ほど信頼できる理由を知っている
~本当に問題解決力のある人は、自分の強みを持ちながらも、状況に応じて別の方法や他人の力を使える~


【はじめに】

前回は、

「探偵は『成功した方法を次もそのまま使わない人』ほど信頼できる理由を知っている」

というテーマについてお話ししました。

一度うまくいった。

だから、

次も同じ方法。

これは一見すると、

効率的で合理的に見えます。

しかし、

相手。

場所。

時間。

目的。

環境。

警戒度。

条件が違えば、

同じ方法が最善とは限りません。

過去の成功体験は大切にする。

しかし、

その成功体験に縛られず、

「今回は何が最善か。」

を毎回考え直す。

それが、

本当の経験の使い方だという内容でした。


そして今回のテーマは、

そのさらに先です。

「自分の得意な方法だけで問題を解決しようとしない人」

です。


人には、

得意な方法があります。


話すのが得意な人。

分析するのが得意な人。

行動が早い人。

慎重に考えるのが得意な人。

人へ相談するのが得意な人。

数字を見るのが得意な人。

現場で対応するのが得意な人。


自分の強みを持つことは、

とても大切です。


しかし、

問題は、

その強みだけで、

すべての問題を解決しようとすることです。


話し合いが得意だから、

何でも話し合いで解決する。


分析が得意だから、

何でも考え続ける。


行動が早いから、

何でもすぐ動く。


自分で何でもできるから、

誰にも相談しない。


それでは、

問題によっては、

かえって解決から遠ざかることがあります。


探偵として23年間、

現場。

相談。

調査計画。

報告。

判断。

さまざまな場面に向き合ってきたからこそ、

私は強く感じています。


本当に信頼できる人とは、

「自分にはこれが得意です。」

と言える人です。


そして同時に、

「今回は自分の得意な方法だけでは足りない。」

と判断できる人です。


【強みは武器になる。しかし、武器は一つでなくていい】

自分の得意な方法。

これは、

大切な武器です。


しかし、

すべての状況で、

同じ武器を使う必要はありません。


問題によって、

使う道具を変える。


必要なら、

自分以外の人の力も借りる。


それが、

本当の問題解決力です。


【1.問題に合わせて方法を選べる】

大切なのは、

「自分が何を得意としているか。」

だけではありません。


「今回の問題には、何が必要なのか。」

を見ることです。


話し合い。

確認。

記録。

調査。

専門家への相談。

時間を置く。

距離を取る。


問題によって、

必要な方法は違います。


【2.自分の得意分野の限界を理解できる】

得意なことには、

自信があります。


しかし、

どんな強みにも、

限界があります。


話し合いだけでは、

確認できない事実がある。


調査だけでは、

決められない法律判断がある。


分析だけでは、

前へ進まない問題がある。


自分の強みが、

どこまで使えるのか。


そこを理解することが重要です。


【3.苦手な方法も必要なら使える】

自分は、

話し合いが苦手。


しかし、

相手へ説明しなければ進まない。


自分は、

人へ相談するのが苦手。


しかし、

専門家の知識が必要。


自分は、

待つことが苦手。


しかし、

今は待った方が良い。


本当に問題解決力のある人は、

得意か不得意かだけで選びません。


必要かどうかで選びます。


【4.他人の得意分野を素直に借りられる】

自分より、

その分野に詳しい人がいる。


その時、

「自分で全部やる。」

とこだわらない。


詳しい人へ聞く。

任せる。

一緒に考える。


それによって、

より良い結果へ近づくことがあります。


人の力を借りることは、

能力不足ではありません。


適切な資源を使えることも、

能力です。


【5.目的と手段を混同しない】

例えば、

目的は、

「事実を知ること。」


しかし、

いつの間にか、

「相手を問い詰めること。」

が目的になる。


目的は、

「問題を解決すること。」


しかし、

「自分の方法が正しいと証明すること。」

へ変わる。


これでは、

本来のゴールを見失います。


手段は、

目的を達成するために使うものです。


【6.うまくいかなければ方法を変えられる】

同じ方法を続けている。


しかし、

結果が出ない。


その時、

さらに同じ方法を強く使う。


これでは、

状況が悪化することがあります。


話しても伝わらないなら、

伝え方を変える。


自分で調べても分からないなら、

専門家へ聞く。


調査日が合わないなら、

別の情報から日程を見直す。


方法を変えることです。


【7.「自分が解決すること」にこだわらない】

問題が解決することが大切です。


誰が解決したかは、

二番目かもしれません。


自分が全部やった。


自分が答えを出した。


それにこだわると、

必要な協力を拒んでしまうことがあります。


本当に信頼できる人は、

結果を優先します。


【得意な方法を持つことは大切】

ここで、

誤解してほしくないことがあります。


自分の得意な方法を、

持たない方がいいという話ではありません。


むしろ、

強みは必要です。


自分は、

何が得意なのか。


どんな場面で力を発揮できるのか。


そこを理解している人は、

仕事でも人間関係でも強い人です。


しかし、

「得意なことしかやらない。」

になった瞬間に、

強みが弱点へ変わることがあります。


【ハンマーしか持っていないと、すべてが釘に見える】

よく使われる考え方があります。


一つの道具しか持っていないと、

すべての問題を、

その道具で解決したくなる。


しかし、

世の中の問題は、

一種類ではありません。


自分の道具を増やす。


そして、

必要な道具を選ぶ。


この考え方が大切です。


【仕事では「得意だから任せ続ける」だけでは成長しない】

資料作成が得意。


だから、

いつも資料作成。


営業が得意。


だから、

ずっと営業。


もちろん、

強みを生かすことは重要です。


しかし、

時には、

別の仕事を経験することで、

新しい視点が生まれます。


得意分野を持ちながら、

視野を広げる。


それが成長につながります。


【優れたリーダーは自分と違うタイプを集める】

自分は、

行動が早い。


だから、

同じように行動が早い人だけを集める。


すると、

慎重に確認する人がいなくなります。


反対に、

慎重な人だけでは、

決断が遅くなることがあります。


強いチームは、

違う強みを持つ人がいます。


分析。

行動。

確認。

交渉。

計画。


それぞれを組み合わせる。


それが、

組織の力になります。


【自分より得意な人を近くに置けるリーダーは強い】

自分より詳しい。


自分より上手い。


そんな人を、

脅威に感じる。


そして、

遠ざける。


それでは、

組織は強くなりません。


本当に強いリーダーは、

自分より得意な人を、

必要な場所に置けます。


自分が一番であることより、

チームとして結果を出すことを優先します。


【探偵の調査も一人の能力だけでは成立しない】

探偵調査には、

さまざまな能力が必要です。


張り込み。

尾行。

運転。

撮影。

位置判断。

情報整理。

連絡。

報告書作成。


一人ですべてできる人もいます。


しかし、

案件によっては、

複数の調査員が必要です。


誰がどの役割に適しているか。


そこを考えることが、

調査の精度へつながります。


【運転が得意な調査員と徒歩尾行が得意な調査員】

例えば、

車両尾行が非常に得意な人。


一方で、

繁華街の徒歩尾行が得意な人。


それぞれ違います。


どちらが優秀か。


という話ではありません。


案件によって、

必要な能力が違います。


適切な人を、

適切な場所へ置く。


それが重要です。


【長時間調査では交代も一つの方法】

どれだけ優秀な調査員でも、

長時間集中し続ければ、

疲労します。


自分が得意だから、

最後まで一人でやる。


それが、

必ずしも最善ではありません。


必要なら、

交代する。


情報を引き継ぐ。


調査全体として、

精度を保つ。


これも、

問題解決です。


【探偵は調査だけで全てを解決しようとしない】

浮気問題。


探偵調査で、

事実を確認できます。


しかし、

その後の、


離婚。


慰謝料請求。


親権。


財産分与。


法的な判断については、

弁護士など専門家の領域があります。


探偵が、

何でも自分で解決しようとしてはいけません。


役割を理解することです。


【依頼者へ「調査より先に弁護士相談が良い」と伝える場合もある】

相談内容によっては、

まず法律的な整理をした方がいい場合があります。


何の証拠が必要なのか。


どこまで調査するのか。


先に確認することで、

無駄な調査を減らせることがあります。


探偵だから、

何でも調査を勧める。


それでは、

依頼者のためになりません。


【浮気問題では問い詰めることが得意でも、問い詰めない方がいい場合がある】

自分は、

相手と話すのが得意。


嘘を見抜ける。


だから、

すぐ問い詰める。


しかし、

証拠収集を考えているなら、

相手が警戒する可能性があります。


今の目的は何か。


その目的に合わせて、

自分の得意な方法を一度使わない判断も必要です。


【逆に調査だけでなく話し合いで解決できる場合もある】

怪しい。


だから、

必ず探偵調査。


そうとは限りません。


単純な誤解。


説明不足。


予定の行き違い。


本人へ確認することで、

解決できる場合もあります。


何でも調査。


ではなく、


何が最適か。


そこを見ることです。


【夫婦関係では「話し合えば解決する」と思いすぎない】

話し合いは、

非常に大切です。


しかし、

何時間話しても、

同じ喧嘩になる。


そんな場合があります。


そこで、

さらに長く話す。


それだけでは、

解決しないことがあります。


時間を置く。


第三者へ相談する。


書面で整理する。


別の方法を使う。


選択肢を増やすことです。


【「黙って耐える」が得意になっている人もいる】

人間関係では、

我慢することが得意になっている人もいます。


揉めたくない。


相手を傷つけたくない。


だから、

全部自分が我慢する。


しかし、

限界を超えれば、

関係そのものが壊れることがあります。


時には、

言葉にする。


距離を取る。


相談する。


我慢以外の方法も必要です。


【怒ることで問題を解決してきた人にも限界がある】

強く言えば、

相手が動く。


これまで、

それで問題が解決してきた。


しかし、

家族。

部下。

取引先。


いつも同じ方法が通じるとは限りません。


恐怖で動いているだけなら、

信頼は育たない場合があります。


相手と問題に合わせて、

伝え方を変えることです。


【婚前では「自分の見る目」に頼りすぎない】

これまで、

人間関係で大きな失敗をしていない。


自分は、

人を見る目がある。


それは強みです。


しかし、

結婚には、

恋愛感情があります。


本人からは、

見えにくい部分があります。


重大な違和感があるなら、

第三者へ相談する。


必要なら、

客観的な確認をする。


自分の見る目を持ちながら、

別の視点も使うことです。


【友人の意見だけに頼らない】

友人へ相談する。


非常に大切な支えです。


しかし、

友人には、

友人の価値観があります。


法律。

調査。

契約。


専門的な問題は、

専門家へ確認する。


一人の相談相手だけで、

すべてを決めないことです。


【企業経営では「社長の得意分野だけの会社」にしない】

社長が営業出身。


すると、

営業を重視する。


社長が技術者。


すると、

技術を重視する。


もちろん、

強みになります。


しかし、

会社には、


財務。


採用。


法務。


マーケティング。


現場。


さまざまな機能があります。


自分の得意分野だけ強くしても、

会社全体が強くなるとは限りません。


【経営者の仕事は全部自分でやることではない】

自分が一番詳しい。


自分がやった方が早い。


最初は、

それで会社が回ることがあります。


しかし、

規模が大きくなるほど、

一人では限界があります。


任せる。


確認する。


専門家を使う。


仕組みを作る。


これも、

経営能力です。


【仕事ができる人ほど「人へ頼ること」が遅くなることがある】

自分でできる。


だから、

人に頼まない。


結果、

仕事が集中する。


疲れる。


判断が遅れる。


こういうことがあります。


できる人ほど、

「自分でできる。」

と、

「自分がやるべき。」

を分ける必要があります。


【任せることと丸投げは違う】

人へ任せる。


だから、

全部その人に押し付ける。


それでは、

良い仕事にはなりません。


目的を共有する。


必要な情報を渡す。


進捗を確認する。


結果を一緒に見る。


これが、

適切に人の力を借りることです。


【専門家へ相談する時も丸投げしない】

弁護士へ任せた。


探偵へ任せた。


税理士へ任せた。


だから、

自分は何も考えなくていい。


そうではありません。


専門家の意見を聞く。


しかし、

自分の目的は、

自分で持つ。


最終的な人生の選択は、

自分で決める。


ここは重要です。


【自分の強みが通じない時に、その事実を受け入れる】

自分は、

この方法が得意。


でも、

今回は通じない。


それを、

自分の価値が否定されたように感じる必要はありません。


方法が合わなかっただけです。


自分の強みは残っています。


問題に合わせて、

別の方法を使えばいいのです。


【問題解決力とは「答えを持っていること」ではない】

本当に問題解決力がある人とは、

どんな問題にも、

すぐ答えを出せる人ではありません。


問題を整理する。


必要な情報を集める。


適切な方法を選ぶ。


必要な人へ相談する。


途中で方法を変える。


そして、

答えへ近づく。


この流れを作れる人です。


【選択肢を増やすことが問題解決につながる】

困った時に、

方法が一つしかない。


すると、

その方法が使えなければ、

行き詰まります。


選択肢が、


A。


B。


C。


とあれば、


「今回はBが良さそう。」

と選べます。


経験を積むとは、

答えを一つにすることではなく、

使える選択肢を増やすことでもあります。


【問題が難しいほど、一つの方法だけでは解決しない】

夫婦問題。


浮気問題。


企業問題。


人探し。


複雑な問題ほど、


一つの方法だけで、

すべて解決することは難しいものです。


調査。


法律。


話し合い。


記録。


時間。


専門家。


複数の方法を組み合わせる必要があります。


【自分の得意な方法だけで問題を解決しようとしない人を見極める7つのポイント】

長く信頼できる相手なのかを見る時は、次の7つを意識してみてください。

1.自分の得意分野より、問題に必要な方法を優先できるか

「自分が何を得意か」ではなく「今回は何が必要か」を考えられる。

2.自分の強みの限界を理解しているか

どこまで自分で対応でき、どこから先は別の方法が必要か判断できる。

3.苦手な方法でも必要なら選べるか

得意不得意だけではなく、問題解決に必要かどうかで判断できる。

4.他人や専門家の力を素直に借りられるか

全部自分で抱え込まず、適切な人へ相談・依頼できる。

5.目的と手段を混同していないか

自分のやり方を通すことより、本来の目的達成を優先できる。

6.結果が出なければ方法を変えられるか

同じ方法へ固執せず、新しいアプローチを試せる。

7.「自分が解決した」という評価より、問題が解決することを大切にできるか

自分の手柄より、より良い結果を優先できる。


【探偵歴23年で感じる「問題解決力」の本質】

探偵として23年間、

さまざまな問題に向き合ってきました。


その中で、

強く感じることがあります。


問題解決力とは、

一人ですべてできることではありません。


自分で確認するべきこと。


調査員へ任せるべきこと。


依頼者へ確認すること。


弁護士など専門家へ確認すること。


どの方法を、

どの場面で使うのか。


そこを判断する力です。


一人の能力には、

限界があります。


しかし、

適切な方法。


適切な人。


適切な情報。


それを組み合わせれば、

一人では解決できなかった問題にも、

近づくことができます。


【最後に】

人は、

得意な方法を使いたくなります。


なぜなら、

自信があるからです。


うまくいった経験もある。


失敗しにくい。


安心できる。


しかし、

探偵として23年間、

さまざまな現場や相談に向き合ってきたからこそ、

私はこう考えています。


本当に信頼できる人とは、

自分の得意な方法を、

たくさん持っている人です。


しかし、

それだけではありません。


「今回は、

自分の得意な方法では足りない。」


そう気づける人です。


話す。


調べる。


待つ。


記録する。


専門家へ聞く。


人へ任せる。


別の方法へ変える。


問題に応じて、

選択肢を使い分ける。


自分の強みは大切にする。


でも、

自分の強みに問題を合わせない。


問題に合わせて、

自分の方法を変える。


そして、

必要なら、

人の力を借りる。


それは、

弱さではありません。


自分の限界を理解し、

目的へ向かって最善の方法を選べる強さです。


「自分が何を得意としているか。」

だけではなく、


「この問題を解決するために、

今何が必要なのか。」


そこを考えられる人こそ、

仕事でも、

人間関係でも、

人生の重要な場面でも、

本当に問題解決能力が高く、

長く信頼される人なのだと思います。


【次回予告】

第174回

「探偵は『人に頼ることと、自分で考えることを両立できる人』ほど信頼できる理由を知っている」

全部自分でやる。


それでは、

一人で抱え込みすぎることがあります。


反対に、

何でも人任せにする。


それでは、

自分の判断がなくなります。


大切なのは、

必要なところでは人の力を借りながら、

最後は自分でも考えることです。


次回は、

専門家や周囲の意見を活用しながらも、

判断そのものを丸投げせず、

自分の人生や仕事の答えを自分で選べる人が、

なぜ本当に信頼できるのかについて、

探偵歴23年の視点からお話しします。


【Infinity顧問】

探偵歴23年。

現在、ハイクラス総合探偵社Infinity顧問。

23年間の探偵経験をもとに、人間心理や判断力、人を見る力、人生に役立つ考え方を発信しています。


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