こんにちは。
Infinity顧問です。
前回は、「直感は信じるべきか。それとも疑うべきか」についてお話ししました。
今回は、探偵として23年間、そして現場、管理、経営とさまざまな立場を経験する中で、何度も向き合ってきた「決断」について書いてみたいと思います。
それは、
「迷ったときに、何を基準に決断すればいいのか。」
ということです。
人生には、正解が分からないまま決断しなければならない場面があります。
この仕事を続けるべきか。
転職するべきか。
この人を信用するべきか。
関係を続けるべきか。
新しいことに挑戦するべきか。
今、動くべきか。
もう少し待つべきか。
どちらを選んでも、未来がどうなるかは分かりません。
だから、人は迷います。
私自身も、これまで多くの決断をしてきました。
探偵という仕事を始めたとき。
現場で重要な判断を任されたとき。
人をまとめる立場になったとき。
経営に携わったとき。
そして、自分自身の進む道を選ばなければならなかったとき。
振り返れば、
「絶対に正しい。」
と確信して決断できたことの方が少なかったように思います。
では、何を基準に決めてきたのか。
今の私が最も大切にしているのは、
「どちらを選べば楽か」ではなく、「どちらを選べば後悔しないか」
という基準です。
楽な道と、正しいと思える道が同じとは限りません。
逃げれば、その瞬間は楽になることがあります。
問題を先送りすれば、一時的には考えなくて済みます。
誰かに決めてもらえば、自分で責任を負わなくてもいいように感じます。
しかし、その選択を数年後に振り返ったとき、
「あのとき、自分で決めればよかった。」
「あのとき、向き合えばよかった。」
そう思うことがあります。
私は、失敗することよりも、
「自分で決めなかったこと」の方が後悔として残ることがある
と思っています。
探偵の現場でも、判断を求められる瞬間があります。
対象者を追うのか。
その場で待つのか。
別の調査員を動かすのか。
一度引くのか。
現場では、ゆっくり考える時間がないこともあります。
限られた情報の中で決断しなければなりません。
そのときに重要なのは、
「何を守るための判断なのか。」
を見失わないことです。
証拠を押さえることなのか。
調査を継続することなのか。
対象者に警戒されないことなのか。
依頼者様の利益を守ることなのか。
目的が明確であれば、選択肢は少しずつ絞られていきます。
逆に、目的を見失うと、
「今すぐ結果を出したい。」
「失敗したくない。」
「自分が悪く思われたくない。」
という感情が判断基準になってしまいます。
だから私は、迷ったときほど、
「そもそも、何のためにこれをするのか。」
と考えるようにしています。
目的に戻る。
これは、判断に迷ったときの非常に重要な方法だと思います。
そして、もう一つ大切にしていることがあります。
それは、
「事実と感情を一度分けること」です。
感情が悪いわけではありません。
不安。
怒り。
恐怖。
期待。
希望。
すべて大切な感情です。
しかし、感情が強くなりすぎると、見えるものが変わることがあります。
だから一度、
「今、分かっている事実は何か。」
「自分が想像していることは何か。」
「自分が恐れていることは何か。」
この三つを分けて考えます。
すると、頭の中が少し整理されます。
探偵の仕事でも同じです。
確認できた事実。
まだ確認できていない情報。
可能性として考えていること。
これらを混ぜてはいけません。
人生の決断でも、
この考え方は役に立つと思います。
そして私は、
「すべての情報が揃うまで待てば、正しい決断ができる。」
とも思っていません。
なぜなら、すべての情報が揃うことなど、ほとんどないからです。
未来は誰にも分かりません。
どれだけ考えても、
どれだけ調べても、
最後には分からない部分が残ります。
だからこそ、ある時点で決めなければなりません。
そのときに必要なのは、
100%の確信ではなく、
「今ある情報の中で、自分が最も納得できる選択をすること」
だと思っています。
私はこれまで、正しい決断だけをしてきたわけではありません。
失敗したこともあります。
「あの判断は違った。」
と思ったこともあります。
しかし、失敗した決断のすべてを後悔しているわけではありません。
なぜなら、
その時点で考え、
悩み、
自分で決めたことであれば、
失敗から学ぶことができるからです。
一番危険なのは、
決断しないまま時間だけが過ぎていくこと
なのかもしれません。
「もう少し考えよう。」
「いつか決めよう。」
「状況が変わるまで待とう。」
もちろん、待つことが正しい場合もあります。
しかし、
決めることが怖いから待っているのか。
本当に待つ必要があるから待っているのか。
この違いは、自分自身で見極めなければなりません。
23年間、多くの人の人生に関わる仕事をしてきました。
その中で感じることがあります。
人生には、
「正解を選ぶ決断」よりも、「選んだ道を正解にしていく決断」の方が多い。
ということです。
どちらを選べば成功するのか。
どちらを選べば幸せになるのか。
最初から分かることはほとんどありません。
大切なのは、
自分で選んだあとに、
その選択に責任を持ち、
行動を積み重ねることです。
選択しただけで人生が決まるわけではありません。
その後、どう行動するか。
そこで結果は大きく変わります。
だから私は、迷ったときにこう考えます。
何を守りたいのか。
目的は何なのか。
確認できている事実は何なのか。
どちらを選んだ方が、自分自身に納得できるのか。
そして最後に、
「この選択の責任を、自分で引き受けられるか。」
と考えます。
誰かのせいにする選択ではなく、
自分で責任を持てる選択をする。
それが、私なりの決断の基準です。
もし今、何かに迷っている方がいるなら、
すぐに答えを出す必要はありません。
しかし、
「正解はどちらだろう。」
と考え続けるだけではなく、
「自分は何を大切にしたいのか。」
を考えてみてください。
答えは、未来にはなく、
自分の中にあることもあります。
探偵として23年間、数多くの判断をしてきた今、私が思うこと。
それは、
良い決断とは、絶対に失敗しない決断ではない。
自分で考え、自分で選び、その結果に向き合える決断である。
ということです。
これからも私は、
迷うことを恐れず、
しかし、必要なときには決断できる人間でありたいと思っています。
次回は、
「失敗したときに、その人の本当の強さが分かる理由」
についてお話ししたいと思います。
探偵として23年間、多くの成功と失敗を経験し、多くの人の人生を見てきた中で感じた「失敗との向き合い方」について、私なりの考えを書いてみたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Infinity顧問
