こんにちは。
Infinity顧問です。
前回は、「本当に賢い人ほど、分からないことを『分からない』と言える理由」についてお話ししました。
今回は、探偵として23年間、多くの人を見てきた中で、よく聞かれることについて書いてみたいと思います。
それは、
「どうすれば、人を見る目を養うことができるのか。」
ということです。
探偵を長くやっていると、
「人を見れば、嘘をついているか分かるんですか?」
「怪しい人は、すぐに分かるんですか?」
と聞かれることがあります。
結論から言えば、
人を見ただけで、その人のすべてが分かることはありません。
23年間この仕事をしていても、第一印象だけで人を判断することはありません。
むしろ、経験を積めば積むほど、
第一印象だけで人を決めつけることの危険性
を感じるようになりました。
見た目が誠実そうだから、信用できる。
話し方が上手だから、仕事ができる。
無口だから、何かを隠している。
愛想が悪いから、性格が悪い。
こうした判断は、すべて思い込みになる可能性があります。
では、人を見るときに何を見ればいいのでしょうか。
私が最も大切にしているのは、
「その人が何を言ったか」ではなく、「何を続けているか」です。
人の本質は、一度の行動では分かりません。
誰でも一度くらいは優しくできます。
誰でも一度くらいは約束を守れます。
誰でも一時的に自分を良く見せることはできます。
しかし、それを長く続けることは簡単ではありません。
だから私は、
一回の行動ではなく、行動の継続を見る。
ということを大切にしています。
約束を守り続けているか。
言っていることと行動が一致しているか。
人によって態度を変えていないか。
自分に利益がない場面でも誠実でいられるか。
問題が起きたときに責任から逃げないか。
そうした日々の積み重ねに、その人の本質が表れます。
探偵の仕事も同じです。
一つの行動だけを見て、
「浮気している。」
「何かを隠している。」
と判断することはありません。
複数の行動を見る。
時間の流れを見る。
行動の変化を見る。
そして、それぞれの事実をつなげて考えます。
つまり、
人を見る目とは、一瞬で人を見抜く能力ではありません。
時間をかけて、事実を積み重ねる能力です。
私はそう考えています。
新人だった頃の私は、人を見る目がある人とは、
「相手を一瞬で見抜ける人」
だと思っていました。
しかし23年間、多くの人と接してきた今は違います。
本当に人を見る目がある人ほど、
簡単に人を決めつけません。
「この人はこういう人だ。」
と、すぐに結論を出さないのです。
なぜなら、人にはさまざまな面があることを知っているからです。
家庭での顔。
職場での顔。
友人の前での顔。
一人でいるときの顔。
どれか一つだけが、その人のすべてではありません。
だからこそ、
一つの場面だけで人を判断しないこと。
これが非常に重要です。
そして、もう一つ。
私が人を見るときに大切にしていることがあります。
それは、
「自分より立場の弱い人に、どう接しているか。」
ということです。
自分に利益を与えてくれる人に優しくすることは、それほど難しくありません。
上司。
取引先。
大切なお客様。
そうした人に丁寧に接するのは、ある意味では当然です。
しかし、
自分に直接的な利益を与えない人。
自分より立場が弱いと思っている人。
そうした相手にどのように接するか。
そこに、その人の本質が表れることがあります。
店員さんへの態度。
部下への接し方。
困っている人への対応。
自分に何も返してくれない人への態度。
私は、こうした部分をよく見ています。
そしてもう一つ重要なのは、
問題が起きたときの行動です。
順調なときは、誰でも余裕を持つことができます。
しかし、
失敗したとき。
追い詰められたとき。
自分が不利になったとき。
そのときに、
責任を認めるのか。
他人のせいにするのか。
嘘をつくのか。
逃げるのか。
それとも、誠実に向き合うのか。
そこには、その人がこれまで積み重ねてきたものが表れます。
人を見る目を養うために、特別な才能は必要ありません。
大切なのは、
よく見ること。
すぐに決めつけないこと。
言葉と行動を分けて考えること。
一度ではなく、継続を見ること。
この四つだと思います。
そして何より大切なのは、
「自分の見る目を過信しないこと」です。
「私は人を見る目がある。」
そう思った瞬間から、思い込みが始まることがあります。
人は、自分が信じたいものを信じます。
自分が嫌いな人の悪い部分は目につきやすく、
好きな人の問題点は見えにくくなります。
これは誰にでもあることです。
だからこそ私は、
自分の感覚を大切にしながらも、
最後は事実を見るようにしています。
23年間、探偵として多くの人を見てきました。
それでも、
「人間は簡単には分からない。」
と思っています。
だから面白く、
だから難しい。
そして、だからこそ、
一人の人間を簡単に決めつけてはいけないのだと思います。
本当に人を見る目がある人とは、
誰かを一瞬で見抜ける人ではありません。
時間をかけて観察し、事実を積み重ね、それでも自分の判断を疑える人。
私は、そういう人だと思っています。
もし皆さんが、
「もっと人を見る目を養いたい。」
と思っているなら、
まずは相手を見抜こうとするのではなく、
相手をよく見ることから始めてみてください。
言葉。
行動。
継続。
変化。
そして、困難なときの選択。
そこに、その人を知るための多くのヒントがあります。
探偵として23年間、人を見続けてきた私が今思うこと。
それは、
人を見る目とは、人を疑う力ではない。
人を決めつけず、事実を見続ける力である。
ということです。
これからも私は、
先入観ではなく、
目の前の事実を見ることを大切にしていきたいと思います。
次回は、
「直感は信じるべきか。それとも疑うべきか」
についてお話ししたいと思います。
探偵として現場で何度も経験してきた「直感」と「思い込み」の違いについて、私なりの考えを書いてみたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Infinity顧問
