忘れられない張り込み

こんにちは。

Infinity顧問です。

前回は、私の探偵人生に大きな影響を与えた先輩調査員についてお話ししました。

今回は、新人時代に経験した忘れられない張り込みについて書いてみたいと思います。

探偵という仕事を知らない方でも、「張り込み」という言葉は聞いたことがあるかもしれません。

実際、探偵の仕事と聞くと、尾行と張り込みをイメージする方が多いと思います。

私も業界へ入る前はそうでした。

しかし実際に経験してみると、張り込みという仕事は想像していたものとは大きく違いました。

新人だった頃の私は、張り込みを簡単に考えていた部分がありました。

「ただ待っていればいい」

そんなイメージを持っていたのです。

ところが現実は全く違いました。

張り込みは待つ仕事です。

しかし、ただ待つ仕事ではありません。

対象者がいつ動くか分からない。

5分後かもしれない。

1時間後かもしれない。

もしかしたらその日は全く動かないかもしれない。

その状況の中で集中力を維持し続けなければなりません。

新人だった私は、その難しさを理解していませんでした。

ある現場でのことです。

朝から張り込みを開始しました。

対象者に動きはありません。

昼になっても変化はありません。

午後になっても状況は変わりません。

時間だけが過ぎていきます。

当時の私は、

「今日は何もないのではないか」

そんなことを考え始めていました。

ところが、そう思った瞬間でした。

対象者が突然動き出したのです。

慌てて対応したことを今でも覚えています。

幸い大きな問題にはなりませんでしたが、その時に痛感しました。

探偵の仕事に「たぶん」は通用しないということです。

動かないだろう。

今日は出てこないだろう。

もう大丈夫だろう。

その油断が失敗につながります。

ベテランの調査員ほど最後まで気を抜きません。

新人だった私は、その理由を身をもって学びました。

そして張り込みを経験する中で、もう一つ学んだことがあります。

それは忍耐力の大切さです。

現代は何でもすぐに結果が出る時代です。

スマートフォンを開けば欲しい情報が手に入ります。

ボタン一つで買い物もできます。

しかし探偵の仕事は違います。

結果が出るまで待たなければならないことがあります。

思うように進まないこともあります。

だからこそ忍耐力が必要なのです。

私は探偵業界で23年間活動してきました。

振り返ると、張り込みで学んだことは仕事だけではありませんでした。

人生も同じです。

焦って結果を求めすぎると、大切なものを見落とします。

時には待つことも必要です。

時には動かない勇気も必要です。

そして、その時間があるからこそ見えてくるものがあります。

新人時代の私は、張り込みが苦手でした。

待つことが苦手だったからです。

しかし経験を重ねるうちに、待つことの意味を理解できるようになりました。

今では、張り込みで学んだ忍耐力や観察力が、人生の様々な場面で役立っていると感じています。

探偵という仕事は、人を追う仕事ではありません。

人を観察し、事実を確認する仕事です。

そしてそのためには、待つ力が欠かせません。

次回は、私が新人時代に経験した「忘れられない調査現場」についてお話ししたいと思います。

探偵という仕事の責任の重さを改めて感じた出来事でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Infinity顧問