私の探偵人生を変えた先輩調査員

こんにちは。

Infinity顧問です。

前回は、新人時代に経験した忘れられない失敗についてお話ししました。

今回は、私の探偵人生に大きな影響を与えた先輩調査員について書いてみたいと思います。

探偵業界に入ったばかりの頃の私は、右も左も分からない新人でした。

尾行も張り込みも初めて。

現場で何を見ればいいのか。

どう動けばいいのか。

何が正解なのか。

全てが手探りの状態でした。

そんな私を指導してくれた先輩調査員がいました。

その先輩は決して派手な人ではありませんでした。

大きな声で指示を出すわけでもなく、自分の実績を語るわけでもありません。

しかし現場へ出ると、その凄さは誰の目にも明らかでした。

対象者の動きを読む。

周囲の状況を把握する。

危険を予測する。

そして何より冷静でした。

どんな場面でも慌てないのです。

新人だった私は、対象者が急に動いただけで焦っていました。

予想外の行動をされれば頭が真っ白になることもありました。

しかし先輩は違いました。

まるで次の行動が見えているかのように自然に対応していました。

当時の私は、

「なぜそんなことができるのだろう」

と不思議で仕方ありませんでした。

ある日、思い切って聞いてみたことがあります。

「どうしてそんなに冷静でいられるんですか?」

すると先輩はこう言いました。

「対象者を見るな。」

私は意味が分かりませんでした。

探偵なのに対象者を見るなとはどういうことなのか。

すると先輩は続けました。

「対象者だけを見ているから焦るんだ。」

「周りを見ろ。」

その言葉は今でも忘れられません。

新人だった私は、常に対象者ばかり見ていました。

見失わないことばかり考えていました。

しかし先輩は違いました。

駅の構造を見る。

人の流れを見る。

車の動きを見る。

周囲の状況全体を見る。

だから突然の出来事にも対応できたのです。

後になって分かったことですが、これは探偵だけの話ではありません。

人生も同じです。

目の前の問題だけを見ていると、視野が狭くなります。

視野が狭くなると焦ります。

焦ると判断を間違えます。

一歩引いて全体を見ることで、本当にやるべきことが見えてくることがあります。

私は探偵業界で23年間活動してきました。

その中で数多くの調査員と出会いました。

優秀な人もいました。

経験豊富な人もいました。

しかし本当にすごい人ほど、自分の凄さを語りません。

むしろ謙虚です。

そして常に学び続けています。

あの先輩もそうでした。

経験を積んでも驕ることなく、現場を大切にしていました。

私は今でも、その姿勢を見習いたいと思っています。

人は誰から学ぶかで大きく変わります。

新人だった私がここまで探偵という仕事を続けてこられたのも、多くの先輩方から学ぶ機会があったからだと思います。

そして今度は私自身が、次の世代へ経験を伝えていく立場になりました。

教える立場になった今だからこそ、あの先輩の言葉の重みをより強く感じています。

「対象者だけを見るな。周りを見ろ。」

探偵としてだけでなく、人生においても大切な言葉だと思っています。

次回は、私が新人時代に経験した「忘れられない張り込み」についてお話ししたいと思います。

尾行とはまた違う、張り込みならではの難しさと学びについて書いてみたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

Infinity顧問