こんにちは。
Infinity顧問です。
前回は、新人調査員だった頃に最初に教わったことについてお話ししました。
今回は、私が初めて尾行調査に参加した時のお話です。
探偵と聞いて、多くの方が真っ先に思い浮かべるのが「尾行」ではないでしょうか。
実際、私も探偵業界へ入る前はそうでした。
ドラマや映画の中では、探偵が華麗に対象者を追跡し、決定的な証拠を押さえる姿が描かれています。
しかし、実際の尾行は想像以上に難しく、地味で、そして奥が深い仕事です。
私が初めて尾行現場に出た日のことは今でも覚えています。
当時の私は緊張でいっぱいでした。
絶対に失敗してはいけない。
絶対に見失ってはいけない。
そんなことばかり考えていました。
現場へ向かう車の中でも落ち着かず、先輩調査員の話がほとんど耳に入らなかったことを覚えています。
そして対象者が動き出した瞬間、私の緊張は最高潮に達しました。
「行った!」
その一言で現場の空気が一気に変わります。
対象者が歩き出す。
車に乗る。
駅へ向かう。
その全ての行動を見逃さないように必死でした。
しかし、そんな私を見て先輩調査員は落ち着いた様子でした。
むしろ私だけが慌てていたのです。
当時の私は、
「対象者を見失わないこと」
だけを考えていました。
ですが、経験豊富な調査員は違いました。
対象者だけでなく、
周囲の人の流れ。
交通状況。
対象者が向かいそうな場所。
次に起こりそうな行動。
全体を見ながら動いていたのです。
その差は新人だった私には衝撃でした。
さらに尾行中は、自分の存在を消さなければなりません。
近すぎてもいけない。
遠すぎてもいけない。
見ているようで見ていない。
追っているようで追っていない。
言葉にすると簡単ですが、実際には非常に難しい技術です。
尾行というのは、ただ後ろをついて行くことではありません。
自然に周囲へ溶け込みながら状況を把握することが求められます。
初めての尾行では、正直なところ余裕などありませんでした。
対象者を見失わないことで精一杯でした。
それでも現場を経験する中で、少しずつ分かってきたことがあります。
それは、焦りが一番の敵だということです。
焦ると視野が狭くなります。
焦ると判断を誤ります。
焦ると本来見えるはずのものが見えなくなります。
これは探偵の仕事だけではありません。
仕事でも、人間関係でも、人生でも同じだと思います。
焦って行動すると、結果的に遠回りになることがあります。
一度立ち止まり、周囲を見渡し、冷静に判断すること。
その大切さを私は尾行の現場で学びました。
23年経った今でも、調査現場で新人時代の気持ちを思い出すことがあります。
あの時の緊張感。
あの時の不安。
そしてあの時の学び。
全てが今の自分につながっています。
探偵という仕事は技術だけではありません。
経験から何を学び、どう成長するかが大切なのだと思います。
次回は、私が新人時代に経験した「忘れられない失敗」についてお話ししたいと思います。
今だからこそ笑って話せる内容ですが、当時の私は本気で落ち込んでいました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Infinity顧問
