どうしようもなくなって泌尿器科に駆け込み、
採血された翌日の夕方。
検査結果を聞きに、また泌尿器科に行った。
開口一番、
「即、入院してください!」
検査の結果、HbA1cが約15、随時血糖値が700以上という
とんでもない数字となっていたのだ。
ヤバいことになってるんだろうなという意識はあったが、
なんとまぁ、ここまでとは…
とにかく、泌尿器科に行ったのは排尿障害のせいなので、
この日、まずは1日で溜まった尿を導尿で出した後、
バルーンカテーテルを留置された。
そして、近くで開業している内科の医院に連絡するから
すぐにそちらに行けと言われた。
その先生が入院先を紹介してくれるから、と。
泌尿器科の医師や看護師たちに
「ふらつかないか、大丈夫か」と
前日にはなかった過剰な心配をされながら、
近くの内科に行った。
尿バッグをぶら下げながら、待つこと1時間以上。
最後の患者となったところでやっと声がかかった。
開口一番、
「よう生きとったな」
呆れたように言われてしまった。
しかも、今日も仕事に行った帰りだと言うと
驚かれてしまった。
そして、市立病院に入院の連絡をしてくれた。
職場には申し訳なかったが、
そのまま入院することとなってしまった。
入院なんて、小学校に入学する前に1週間ほど経験したのみ。
とにかく必要そうなものをバッグに詰め込んで、
市立病院に向かったのだった。
いろいろ事務手続きを終えたあと、
簡単な診察と、またここでも検査のための採血をされた。
採血の際、医師はわたしの腕の血管をチラッと見て、
「ああ、血管が出てないな」と即断し、
足の付け根の太い血管から採血した。
おいおい、昨日の泌尿器科では簡単に腕から採血したぞ?
まあ、いまさら恥じらう年ごろじゃないけどさ。
診察が終わり、病室に移ることになった。
診察室を出ると、車椅子が用意されていた。
いやいや、自分で歩けるから、
そう言って断ろうとしたけれど、
半強制的に乗せられてしまった。
まあ、こんな経験もそうないだろうからと、
ありがたく乗せてもらうことにした。
そして、連れて行かれたのはICUだった。
おお、初ICU!
カーテンで仕切られたベッドを与えられ、
腕には点滴の管を入れられた。
インスリンを静注し、定期的に血糖値をモニタするとのこと。
夜中、何度も血糖値測定のため穿刺しに来るので、
ゆっくり寝られる状況ではない。
というか、もともと寝つきが悪く、眠りが浅いわたしは、
ベッドが変わると眠れない。
それに、ICUというのは、夜中ずっとザワザワと音や人声が聞こえてくる。
初めてのICUという状況に興奮状態ということもあって、
ゆっくり体を休めるどころの話じゃなかった。
特に、隣のベッドから聞こえてくる声らしきものが、
わたしの気持ちをザワつかせたのだった。