悪液質の第三報告は 阿部能成先生でした。
いろいろなことを話されたので、印象に残ったことを以下に箇条書きにしておきます。
 
○がんで死ぬ場合は4とおりだそうです。
消耗死(免疫低下による感染死)
重要臓器の不全(がんが正常細胞にとって代わる)
交通遮断(がんが大きくなり圧迫)
失血死(大きくなった腫瘍の崩壊による失血死)
 
がん治療は体力低下を招き、臥床傾向や不活発による廃用症候群を生みやすい。
臥床によって生ずる病気は以下。
・骨萎縮(骨粗鬆症)
・尿路結石(長期になると敗血症も)
・胸部運動不良による沈下性肺炎
・腸のぜんどう不良によるイレウス
・床ずれ(感染症になると敗血症に)
 
骨萎縮は数時間で起こる(毎晩起きているが、朝起きることで回復)。
床ずれは1-2時間で。
筋力低下は1週間に10-15%。
 
これらは悪液質が原因の場合とは 区別する必要がある。
臥床が原因では筋力増強リハビリが有効だが、悪液質が原因の場合には逆効果である。
 
○がんで死亡の80%は感染症、20%は悪液質(だんだん弱る)。
感染症に比べて 悪液質は対処次第で楽に死ねる。
 
○悪液質は、絶食で食べないのとは異なる。絶食しても体重は5%くらいしか減らないが、がんは食べても減る。がんは栄養をとらなくても、健常細胞をこわして栄養をとっていく。
 
○食欲不振には
・食べる前に動いて、少しずつ食べる
・エネルギー価の高いものを食べる
・好きなものを食べる
・分割して食べる
・魚油、EPAなどサプリもよい
・栄養投与は3ヶ月くらしかできない?(ギアチェンジが必要となってくる)
ステロイド(グルココルチコイド)は、週単位の短期でとる。長期に投与すると免疫抑制が起きる。
 
○動ける人は、悪液質になりにくい。
悪液質が進んでいる人は、早くから動くのをやめる。
 
司会者から
司会の東口先生からは、悪液質が心身相関的であること、栄養状態がよいと逆に心にも良い影響が出ること、セロトニンや抗うつ剤は食欲を抑制するので避けるべきであること、グルタミンなどで食欲を増進すると良い循環が生まれることなどの指摘がありました。臨床症状をとり、QOLを向上させると、最後までその人らしく生きることができ、延命もすると。(熱弁にちょっと感動(^-^)