お待たせ?しました。
いままで転移・再発胃癌の場合の抗癌剤治療について書きましたが、
今回は進行胃癌(Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ期)の根治手術後(眼や画像で見える範囲のものは
一応手術で取り除いた)の抗癌剤治療について、調べた範囲で書きます。
術後抗癌剤治療の目的は再発・転移の可能性が高い人たちの
再発・転移を防ぐことです。
長い間、再発・転移対策にはUFTというts-1より副作用が弱い抗癌剤か、
新たに開発された同系列のts-1が使われていましたが、その効果は不明で、
あまり効果がないのではという説が医師の間でも強まっていました。
(ちなみにUFTもts-1も体内にはいると5FUに変わるという同じ系列の薬です。)
ところが、2001年から始まり2007年にイギリスの著名学会誌に成果が発表された
ACTS-GC試験という1000人以上の胃癌Ⅱ・Ⅲ期の患者を対象におこなわれたts-1の大量試験で、ts-1の術後投与の有効性が立証され、厚生省のもと標準治療に認可されました。
2007年論文の結果は、ひとことでいうと、1年間ts-1を服用した人のほうがts-1を服用しなかった人より、3年後に生存している割合が10%高かった(80.5%、70.1%)というものです。要約は大鵬薬品のHPに載っています
私はこの論文を直接読みましたが、いくつかの点でひっかかり、結果を素直に受け取れませんでした。ひっかかったのは、1。大鵬薬品がお金を出した調査であること
2.違いがわずか10%であること 3。ts-1を飲まなかった人に偽薬を出しておらず、プラセボ効果であることを完全に否定はできないこと、の3点です。
1に関しては、日本の医療制度全体の問題のようで、薬品などの調査はすべて開発した製薬会社が負担する仕組みになっているらしいので、この制度をなんとかしてほしいと思いましたが、当面仕方ありません。最近(その前にも若干の情報はあったのですが詳しい資料の形では確認できなかった)2,3に関連する情報を発見し、疑いが晴れるとともに、自分の服薬のしかたの問題に気づき大ショックを受けました。
まず、結果についてですが、「TS-1投与群」の3年生存率はⅡ期で90.7%、「手術単独群」は82.1%。ⅢAで、77.4%と62.0%。ⅢBで、63.4%と56.6%です。
そして計画量の70%未満の服用とそれ以上では、3年後で10%程度、4年後でなんと20%以上も生存率に差があります。おまけに100%飲んだ人より、70~90%の人のほうが生存率がやや高い。(^^;)
また、1年間飲んだ人と飲まなかった人との間にも10%程度の差がみられます。
差が20%というのは、やはりプラセボ効果ではなく、薬が効く人にはかなり効くということだと私は思いました。
ちなみに私の飲み方では70%に達していないためショックを受け、先日申し出て変更してもらったのでした。
ただ、気をつけなければならないのは、これは確率の問題だということです。
ts-1を飲まなくても、病院によりデータの違いはあるものの、ⅢBであっても、
2割以上の人が5年生きています。飲めば3~4割になるかもしれませんが、
自分が抗癌剤が効かない残りの6~7割の人のなかに入っているなら、
飲んでも無駄ということです。
逆に飲まなくても生きる2割に入っていれば、飲む必要はないのです。
個人のレベルでいうと、いまのところ、すべては運、なのかもしれませんね。
PS.
こうした意味でも早く抗癌剤感受性テストが普及してほしいと思います。
PPS。
大鵬製薬となっていましたが、大鵬薬品の間違いですので訂正しました。<(_ _)>
