Ultimate Classic Rockでのブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンド『ノー・ニュークス・コンサート1979』レビューです。以下ざっくり訳ですがどうぞ

 

Ultimate Classic Rock

 

「スプリングスティーンは、「Detroit Medley」の演奏中に、心臓や胃腸の弱い人は「これから5分間、会場から出て行った方がいい」と注意勧告をした。しかし、このロックンロールのスペクタクルの瞬間から、誰が目や耳を離すだろうか?」

 

ブルース・スプリングスティーン&Eストリート・バンドのマディソン・スクエア・ガーデンでの2回のショーは、伝説的と言っても過言ではない。そして、それらのショーが『ノー・ニュークス・コンサート1979』として、オーディオとビデオの両方で待望の正式リリースされたことで、その伝説の呼び名はまさしく裏付けられ、証明された。

 

9月21日、22日のライヴは、スプリングスティーンのキャリアの中で大きな出来事となるべくして、多くの要因が重なっていた。1978年に行われた『Darkness on the Edge of Town』のツアーで、スプリングスティーンのライヴは次のステップに進化したが、スマートフォンのカメラやソーシャル・メディアがない時代には、ファンからファンへと口コミで広がっていき、それはまさに伝説となっていった。

 

1979年のほとんどの期間、バンドは『The River』の制作のためにスタジオに入っていたため、彼らのライヴを見たいという欲求が高まっていた。また、「No Nukes」という大規模なイベントは、M.U.S.E.(Musicians United for Safe Energy)が主催する5日間のオールスター・ベネフィットであり、スプリングスティーンの地元ニュージャージーからも近い、ニューヨークの中心地にある最適な舞台だった。

 

ちょうどスプリングスティーンの30歳の誕生日(9月23日)と重なっていたこともあり、最前列のファンからバースデー・ケーキをもらったスプリングスティーンは、すぐに観客の中に投げ返す場面も。他、ショーでのコミカルなネタも豊富に用意されていた。

 

重要なのは、スプリングスティーンが『No Nukes』に出演し、それに伴う映像とアルバムをリリースしたことによって、世界中のファンが、この時のスプリングスティーンとバンドのライヴがいかに凄いものだったのかを初めて公式に知ることができたことだ。

 

ボニー・レイットが、その夜、ガーデンを埋め尽くした "Bruuuuuuce!"というチャントに対して、「彼の名前がメルヴィンでないのが残念だ」と言ったのは有名な話だ。また、共同主催者のジャクソン・ブラウンが、同じく出演していたトム・ペティにブーイングされていないことを説明すると、ペティは「何が違うんだ」と皮肉った。しかし、その夜がEストリート・バンドのものであったことは否定できない。

 

スプリングスティーンの歴史の中で最高のショーであるかどうかは議論の余地があるが、No Nukesでのパフォーマンスは、スプリングスティーンとバンドが最高の状態であったことは間違いない。(スタジオにずっと籠っていたので)ライヴへの飢餓感や鬱憤が溜まっていた彼らは、バンドの演奏時間が通常の3時間程度から90分に凝縮れたことも相まって、若き彼らの壮大なエネルギーが注ぎ込まれ、漲る汗とともに、熟練したショーマン・シップ、ユーモア、目の覚めるようなステージングを魅せた。ゲイリー・U.S.ボンズの「クォーター・トゥ・スリー」でスプリングスティーンが「倒れる」、喜びに満ちた消耗体験を体現しているかのような芝居や、そして「ロックンロールの囚人だ」という当時のおなじみの雄叫びをあげる瞬間もある。

 

『ノー・ニュークス・コンサート1979』では、スプリングスティーンの2夜のライヴを合体させているが、そのことが、このライヴの価値を更に高めている。美しくミックスされ、リマスタリングされた13曲は、当時まだ未発表だった「The River」(初披露)と「Sherry Darling」、そして「Jungleland」、「Rosalita (Come Out Tonight)」、「Born to Run」という燃えるようなハットトリックでメインセットを締めくくった。アンコールでは、第二夜のジャクソン・ブラウン、トム・ペティ、ローズマリー・バトラーが参加したモーリス・ウィリアムス&ザ・ゾディアックスの「Stay」、そして、過去にリリースされた「No Nukes」LPに入っていたバージョンが霞んで思えるほどの大作「Detroit Medley」が収録されている。

 

スプリングスティーンは、「Detroit Medley」の演奏中に、心臓や胃腸の弱い人は「これから5分間、会場から出て行った方がいい」と注意勧告をした。しかし、このロックンロールのスペクタクルの瞬間から、誰が目や耳を離すだろうか?

 

 

 

 

 

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2CD/Blu-ray,2CD/DVDには「チケット・レプリカ」とそれを入れる「ヴィンテージ風の封筒」、

 

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●ザ・メイキング・オブ・『ノー・ニュークス・コンサート1979』(日本語字幕付)

 

●『1979年のブルース・スプリングスティーンとノー・ニュークス物語』(日本語字幕付)

 

●『ノー・ニュークス・コンサート1979』に寄せて(著名人コメント)

https://www.110107.com/bruce_1979_comment