3/28に坂本龍一が死んだ。
覚悟はしていたが、やはりショックだ。
幼き頃に聴いた『ライディーン』が初めて耳にしたYMOサウンドだった。
その後、中学生の頃、ラジオから流れてきた『バレエ・メカニック』に心を奪われファンになった。
それから、折に触れ教授のサウンドは僕の日常に溶け込んできた。
耳コピで『戦場のメリークリスマス』を弾けるようになった。
僕が弾けるピアノはこの一曲だけ。
もう長年弾いていないから、弾けるかどうかも怪しい。
僕の中で一時代が終わった。
この喪失感は自分でも信じられないほどだ。
教授のアルバムを聴きたいけど今聴いたら涙が出てしまうからやめた。
そして、代わりに聴いているのがこの一枚だ。
ヴァイブ奏者、ボビー・ハッチャーソンを代表する名盤『ハプニングス』だ。
僕の中ではこの一枚に入っている『ブーケ』が、長年、睡眠導入剤代わりになっている。
スローなグルーヴが心地よい眠りに誘ってくれる。
「新主流派」を代表する一枚だけあって捨て曲がないどころか、テンポのいい疾走感のある曲『ヘッド・スタート』でも、本当にモダンで癒される。
個人的な意見だが、僕がジャズに求めるすべての要素がこの一枚に集約されているといっても過言ではない。
感傷に浸るのにももってこいの一枚だ。