Bill Evans /『At The Montreux Jazz Festival』 | ongaku:キョウノイチマイby『飄逸庵』

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桃の節句も過ぎ、そよ吹く風の中にまだ冷たさは残っているものの、春めいた気候が勝ってきたようだ。

 

そのせいか、スギ花粉が大量に飛散しているようで目が痒い。

 

それに合わせて、先日痛めた腰の痛みがまだ残っていて油断ならない。

 

雨は降っていないが白みがかった空は気持ちを晴れやかにはしてくれない。

風がないのがまだせめてもの救いだ。

 

ベッドに横臥しているのも飽きたので、きしむような痛みを持った腰を上げ、書斎に入って音楽を聴いている。

 

その一枚がコレだ。

 

今では三大ジャズ・フェスティバルのひとつであるモントルー・ジャズ・フェスティバル。

 

しかし、この国を挙げた一大イベントも開催当初存続の危機にあった。

初年度の開催3日間の来場者数はたったの1200人で、参加したキース・ジャレットが「二度と出るか!」と憤慨したことでも有名だ。

 

そんなフェスを救ったといわれるのが、1968年の2回目に開催した本作に収録されているライブである。

 

通称、「お城のエヴァンス」。

 

相棒であるベーシスト、スコット・ラファロの死はエヴァンスにとって大きな悲劇だった。

彼の死後、暫くはエヴァンスを深い喪失感に追い込んだ。

 

しかし、このセッションでは息を吹き返したエヴァンスの演奏が聴ける。

それを、実現させたのがエディ・ゴメスだ。

それくらい、ここでのゴメスのプレイは素晴らしい。

以後11年間、トリオのレギュラーベーシストとなるゴメスだが、ラファロを彷彿とさせるインタープレイを聴かせてくれる。

それに伴って、エヴァンスの秀逸なピアノが流麗に弾かれる。

 

アンコールの2曲目であるエヴァンスのソロ『クワイエット・ナウ』は、まるでラファロへの鎮魂歌のような演出だ。

 

このエヴァンス・トリオの熱演が効して人気フェスになったモントルー・ジャズ・フェスティバル。

今では25万人を集める巨大フェスに成長したのだ。