Al Cohn Quintet /『Al and Zoot』 | ongaku:キョウノイチマイby『飄逸庵』

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異様に身体をくねくねさせるコメンテーター。

 

ニュースを見ているのだ。

 

キャスターがコメンテーターに意見を求める。

そのコメンテーターは、その途端話し始めたかと思うと、身体をくねくねさせたり、手を広げたかと思うと拝むように手を合わせたりしだした。

 

何が起こったのだ。

 

キャスターもスタッフも異様だとは思っていないようだ。

話している内容は予めシナリオに書いてあるのだろう。

伏し目がちに目を通しながら話している。

しかし、それだけくねくねさせながら文章は読めているのだろうか。

 

不安になる。

 

不安になるこちらを他所に、コメンテーターは流暢に話す。

しかし、身体はくねくねさせている。

そして思った。

それは彼のリズムなのだ。

グルーヴと言ってもいいかもしれない。

かしこまったことを話す時彼はそのリズムにのって話してしまうのだ。

 

目の前に話す人がこんなにくねくねして話していたら嫌だ。

 

そんな、ニュースを観るのをやめて、書斎に入って音楽を聴いている。

この一枚だ。

 

1957年3月27日に録音された『Al and Zoot』だ。

 

パーソナルは、

アル・コーン:ts,cl

ズート・シムズ:ts,cl

モーズ・アリソン:p

テディ・コティック:b

ニック・スタビュラス:ds

といった、アル・コーン・クインテットにズート・シムズがフューチャリングしたものだ。

 

黒人テナー・バトルの名演というのがいくつかある。

 

デクスター・ゴードンとワーデル・グレイ、ジーン・アモンズとソニー・スティットというのが有名どころだが、それらに匹敵する白人テナー・チームの名盤と言われているのが本作である。

 

黒人バトルに対してこちらは、安らぎと調和志向を発揮している。

 

共にレスター・ヤングから強い影響を受けており、軽快で洒落たテナーがスウィンギ―でホットなバトルを展開している。

 

それこそ、聴いている者を”くねくね”させてしまうような力を持っている。