ムーンライダース /『短くも美しく燃え』 | ongaku:キョウノイチマイby『飄逸庵』

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昨日、抜歯をした。

 

いくつになっても歯医者、いや正確に言うならば歯科医院というものは不気味なものがある。

色々な要因がある。

 

まず、子供が大声で泣き叫んでいる。

 

自分が幼い頃に感じた恐怖を思い出すからではないか。

それから、治療器具の音も不快だ。

 

キュイーン

 

そんな音を出すものを口に入れられて、何がどうなっているのか現状を理解出来ない恐怖だ。まな板の上の鯉状態だ。

そして、椅子がベッドに変身して、灯りを顔面に照らされて、マスクをした歯医者とアシスタントのような歯科助手が覆い被さるように口を覗き込んでいる。

 

恐怖そのものだ。

 

しかも、抜歯となると麻酔をしてはいるものの神経近くにうわっている歯を力任せに抜くのだ。

その時の音がまた嫌な感じだ。

 

ゴリゴリ

 

現代では技術が進歩しているので痛みは無い。

しかし、ゴリゴリはないでは無いか。

しかも、血圧と飽和酸素度を測りながら抜かれて、抜かれる前は承諾書に記名させられる。

もはや、手術だ。

 

院内では複数人の子供が泣き叫んでいる。

 

地獄絵図だ。

 

そんな、抜歯した翌日にウズウズさせながら聴いているのがこの一枚だ。

 

ムーンライダースの1997年にリリースされたベスト盤『短くも美しく燃え』である。

サブタイトルが『ムーンライダース・ベスト1995ー1996』とある。

 

二年間だけ在籍したファンハウス時のベストアルバムだ。

 

全16曲中9曲はオリジナルアルバムに未収録曲及び別ヴァージョンだ。

 

これは、ベスト盤といえるのか。

 

確かにこの2年間は彼らにとって物凄い精力的に活動をしている。

アルバム2枚、ミニアルバム2枚、シングル4枚、マキシシングル1枚。

そして、ライヴも22回行っている。

 

音楽性もレゲエ調あったり多岐にわたっている。

 

しかし、もう一度言うが、『これはベスト盤といえるのか』。

もはや、新作でよかったのではないか。

 

鈴木慶一はこう語っている。

 

「新しいものを作るには下準備が要る、と。で、高校生に一回戻ってその頃きいてたような曲を演ってみようと。で、次に、自分達の今通じそうな詞ならびに曲を一回リ・レコーディングしてみようと」

 

5曲目はレゲエだし、7曲目の『おかわり人生』はこれがムーンライダースかと思うようなスレイドを思わせるようなグラム・ロック調だ。9曲目はジャングルビート。

 

ちなみに②③は1995年に起こった函館ハイジャック事件に巻き込まれたメンバーの武川雅寛さんの経験を元に作られたらしい。

 

改めて全体を通して聴いた感じでは1995年~1996年としては洗練され、当時最新のトラックメイクを施されている。

 

時代時代で変遷を遂げてきた彼らを象徴しているのが本作だとしたら、やはりこれはベスト盤だ。

 

 

 

 

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