Thee Michelle Gun Elephant /『Chiken Zombies』 | ongaku:キョウノイチマイby『飄逸庵』

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わたしが生まれ育った熊本市には、藤崎宮という神社の秋の例大祭、当時は『ボシタ祭り』という馬追祭りがある。

歴史があって、加藤清正が朝鮮出兵で勝利し凱旋した頃から続いている祭りだ。

わたしは高校の頃、その祭りの楽団で太鼓を叩いていた。

 

前夜祭といって、楽団は飲み屋さんを回ってお捻りを頂いて演奏をする。

 

一通り終わると、朝まで飲み明かすのだが、ある年前夜祭である店で飲んでたら、仲間がそこに来ていた大学生と喧嘩になり(大学生の1人が友人の彼女にしつこく口説いていたらしい)、それを口火にうちら法被姿と大学生たちと店の中で暴れ回る大喧嘩に発展した。

 

我々は喧嘩に関しては手練手管。

 

人が飛び交い、大学生達が地面に這う。その上からソファを投げつけたり、机を投げつけたりそれはそれは地獄絵図だった。

その店の女将さんが、大声で「いい加減にしないと警察呼ぶよ!」と言ったら大学生はお金も払わず逃げていった。

 

うちらは女将さんに謝り、金を払おうとしたが、「今日は前夜祭。あんた達からは貰えない」と言って飲んだ挙句、店をハチャメチャにしたにもかかわらず「警察来るから早く行きな」と言ってくれた。

 

あの頃は、日本がバブルで1番景気が良かった頃。

まだ、気風のいい女将さんや旦那衆がいたものだ。

いま、そんな事あったら大問題だろう。

翌日、酒を飲み明かしたまま本番を迎える。

寝ていないが、祭りの雰囲気でテンションが高い。

祭りの口上も下ネタありの今考えたらとんでもない祭りだった。

その祭りも、時代の流れか色々規制があって、昔ほど盛り上がってない。

ふと、青春の1ページを思い出した。

 

そんなヤンチャ時代な頃のことを思い出して今聴いているのがこの一枚だ。

 

ミッシェル・ガン・エレファントの1997年にリリースした4枚目のアルバム『Chiken Zombies』だ。

 

彼らを代表する一枚だ。

 

4人組で1960年代から1970年代のパンクやガレージロック、ロカビリーなど様々要素を取り入れた一言で言えば『カッコいい』バンドだ。

Vo.のチバユウスケをはじめ、アベフトシ(Gt)、ウエノコウジ(Ba)、クハラカズユキ(Ds)といった布陣だ。

衣装はオーダーメイドのモッズ・スーツに身を包み演奏していることが多い。

 

楽曲は作詞を基本的にチバが作って、作曲はスタジオでメンバーでセッションを通して作ることが多かったそうだ。

活動は、ライヴに重きを置いて1回のツアーで全国40~60カ所のライヴハウスやホールで演奏していた。

 

母体は明治学院大学のサークル内のメンバーで作っているがデビューする前にチバ以外のメンバーは入れ替わっている。1991年に下北沢屋根裏にて初ライヴを行う。その後様々なライヴハウスで演奏するようになり、先の4人組のメンバーに固まる。

 

インディーズ時代にギターを担当していたシガケイイチが脱退し、バンド存続の危機に陥るが、スリーピースバンドで活動。その後、アベフトシが加入して4人体制に戻る。

1996年に日本コロムビアよりメジャーデビューする。

 

本作は捨て曲がないが、その中でも光り輝いている疾走感のある曲『バードメン』がわたしは好きだ。

本作が一番ミッシェルらしいと思っている。

 

激しさが溢れていて、様々な音楽の要素を自分たち咀嚼してミッシェルの音を作り出したのが本作なのではないか。

 

それを裏付けるように、2010年日本コロムビア創立100周年記念企画『後世に残したい300作品』に選出された。

聴けば聴くほど、中毒になる作品だ。

 

本作が発売された頃、わたしが東京の練馬の氷川台に住んでる頃、近くのレンタルビデオ屋に行ったら、本作が爆音で流れていてバイトの店員の女の子が、口ずさんでいたのを思い出す。

あれからもう25年以上経ってしまったのか。ついこの間のようだ。

 

あの頃デビューしたバンドの中では圧倒的に際立っていた。

 

2003年に解散するがチバユウスケは、精力的に持ち味のガレージロックを従え活動している。

 

 

 

 

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