みうらじゅん & 安齋肇 /『勝手に観光協会』 | ongaku:キョウノイチマイby『飄逸庵』

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人は満腹になると頭が回らない。万民全てとは言わないが、少なくともわたしはそうだ。

腹八分目とはよく言ったもので、ほどほどがいいのだ。

しかし、今日はしくじってしまった。午前中、来客があり、色々一緒に業務していた。

一緒に昼食をと思っていたが、先様の奥様から電話があり急に帰られた。

 

丁度、正午すぎだったので家にあるもので昼食を済まそうと思ってペヤングの超大盛りがあったのでそれに決めた。

 

久しぶりに食べたので初めの二口位は「やはりうまいな」と思った。

半分近くになって、その感覚が訪れた。

 

『ヤバい、量多いんじゃないのか』

 

それはそうだ。『超大盛り』だ。

こうなると、汗が出てきて味覚も感じなくなる。

捨てればいいのだが、貧乏性が仇になる。

全部食べきった。

 

苦しい。

 

なぜ、『超大盛り』なんか家にあるんだ。

もちろん、自分で買ったわけだが、まさかこんな目にあうとは思っていなかった。

『超大盛り』は危険だ。何も考えられない。

苦しいから、横臥する。

 

怠惰だ。

 

なんだかダメな奴だ。何しろ思考が停止しているのだ。

面白くないテレビを眺めて横臥している大人だ。

どこからどう見てもダメ人間だ。

『超大盛り』は人をダメにする。

 

そんな怠惰なひと時を過ごし満腹感が収まったので書斎へ行ってこの一枚を聴く。

 

みうらじゅん&安齋肇の『勝手に観光協会』だ。

 

今の気分にこんなに相応しい一枚があるだろうか。

本人たち曰く、「勝手に日本各地を巡り、ご当地ソングを作り、日本各地を盛り上げるべく活動を続ける『大きなお世話ユニット』」だそうだ。

 

ものすごくくだらない。

 

しかし、本人たちは真剣に曲を作っている。

『真剣にくだらないことをやる』というのはわたしのモットーだが、そうなったのはこの両氏の影響は多分にある。

 

曲によっては、宿泊先の旅館の部屋で録音されている。

 

隣の部屋にいる人は驚くだろう。

そして、その情熱に『自分も真剣にこの地を観光せねば』と突き動かされるのではないか。

 

このユニットが出来るきっかけになったのは、1997年に「気仙沼ちゃんどうしてるんだろうね」と雑談からだ。

普通は雑談だけで終わるところを、この二人は終わらせない。

実際に、宮城県気仙沼市に気仙沼ちゃんを訪ねに行って、その時に『ご当地ソング』を作った。そしてそれが壮大なプロジェクトに発展したのだ。

 

わたしがこの壮大なプロジェクトを知ったのは、まだ東京に住んでいるときに二人がナビゲーターをしていたFMラジオ、J-Waveの深夜番組だった。その頃、尿管結石を患っていて、度々やってくる激痛に眠ることが出来ず、耳に入ってきたプログラムがコレだった。

 

笑わずにいられなかった。

 

後に妻になる同棲していた彼女は仕事に疲れ、寝息を立てている。その横で夜な夜なラジオを聴いて起こさないように暗い部屋で笑っていた。そして、尿管結石の痛みが出る。その都度、トイレに行って鎮痛剤の座薬を肛門に入れる。

どんな、状況だ。

 

そんな情景をありありと思いださせてくれる熱い一枚だ。

 

誰にでもはおすすめはしない。

 

『真剣にくだらないことをする大人』には聴いてほしい。

 

忘れがちになる情熱を呼び覚ましてくれること間違いないはずだ。

 

 

 

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