鼻毛が伸びる。
コロナ禍の生活でマスクを多用するようになったことが原因なのか、異常に伸びる、鼻毛が。
一人暮らしで、家で仕事することがほとんどなので一般的な人よりもマスクをつける頻度は低いがそれでも鼻毛が伸びる感覚はコロナ前よりも早く感じる。
鼻毛が伸びることで困るのはくしゃみだ。
鼻の際を鼻毛がくすぐることが原因と思われる。
わたしは耳毛も伸びる体質なのだが、それと連動しているのか鼻毛処理を二日もしないとムズムズする。
ムズムズは嫌だ。
ムズムズは不快な気持ちになる。楽しい時間を過ごしていてもムズムズすることで、完全にその楽しさに集中できていない。
その感覚は不快以外のなにものでもない。
そのムズムズをもよおすのは黒い鼻毛より、『白い鼻毛』の方が刺激が強い。
『白い鼻毛』はコシが強い。
気になるので指で抜くと『白い鼻毛』だ。つい見入って、その後、もう片方の指でコシを確認する。
そして思うのだ。
「鼻毛が白髪になるまで、生きたんだなぁ」
老化を嘆くのだ。
そんなしみじみとした今聴いているのがコレだ。
ボ・ガンボスの1995年にリリースしたラストアルバム『ゴー・ゴー・キング・ライヴ!』だ。
ヴォーカルのどんとが亡くなって何年が経ったのだろう。かれこれ20年は経ったのではないか。
元々はGumbosだったのだが、なんだかしっくりしなくて、そんな時にボ・ディドリーが流れていた為、『ボ』をつけたというのはファンの間では知られた話だ。
そもそも、ブルースの大御所、ボ・ディドリーが流れている空間とはどういう場所にいたんだ。普通のカフェに入って「お、ボ・ディドリーじゃん」っていう店はものすごく少ないはずだ。
あるとしたら、ブルース・バーとかだろう。
セカンド・シングル「Bo Gumbos」は、ボ・ディドリーから提供された曲で、その後、ボ・ディドリーと共演してライヴをしているのだが、どんとはそのライヴで喉を痛めた。
それはダメなんじゃないか。はしゃぎすぎたのか?憧れのアーティストとのライヴではしゃいで喉を痛める。
ボ・ディドリーは複雑な気持ちになったのではないだろうか。
本作は、ラストアルバムでライブアルバムだ。場所は新宿リキッドルーム。解散は前もって決まっていたかどうかは解らないが、解散というセンチメンタルな熱狂さはない。
淡々とセッションされているし、観客も感情的になっていない。
割とサイケデリックっぽい曲が多いので観衆は陶酔し、ゆらゆら踊っていたのではないだろうか。
それでこそ、ボ・ガンボスだ。