ようこそ、おと虫ミュージックへ。どうも、おと虫でございます。
今日お送りするプログラムは、「ongaku,キョウノイチマイ」でございます。このプログラムは、我が家のライブラリーの中から一枚抜き取り、ご紹介をするプログラムであります。
音楽通の方から、音楽にこれからどっぷり浸かりたいビギナーの方まで楽しめるプログラムとなっておりますので、是非、チャンネル登録もよろしくお願いします。
きょうお届けする作品はコチラ、
1960年10月20日にキャンディドに録音された『チャールス・ミンガス・プレゼンツ・チャールス・ミンガス』でございます。
ミンガスというジャズ・ベーシストはジャズ界の巨人というだけではなく、常に白人社会に対してのアンチテーゼをテーマに、黒人音楽の可能性を追求した偉大なアーティストでした。特に、ワークショップ形式で模索していくことが多く、その前衛的なスタイルは、ジャズ史に様々な影響を与えています。
本作は、アルト・サックスにエリック・ドルフィー、トランペットにテッド・カーソン、ドラムスに盟友ダニー・リッチモンド、そして、ベースにミンガスというピアノレス・カルテットという形態になっています。
キャンディドにはこれと同じような内容の作品がもう一つありまして、それが、ジャズドラマーのマックス・ローチの名盤、「ウィー・インシスト」です。どちらも、白人支配の社会に対する戦いの姿勢を鮮明に打ち出しています
ローチやミンガスは黒人としての態度をより明確に表明した、言い換えれば黒人が自国の人種差別に反抗し、自由と公民権の獲得を目指して闘った時代であり、すべての黒人が立ち上がった当時の気運が鼓舞してローチ、ミンガスも音楽を通してそれに呼応し時代の声を体現していたというエネルギーに溢れた作品になったのだと思います。
なので、単純にジャズを聴くというよりもその辺の時代背景を念頭に置いたうえでミンガスの音にアプローチすることでミンガスの魅力がより伝わると思われます。
そして、本作には天才ドルフィーが参加しており、ピアノがない分彼のインプロヴィゼーションがたくさん聴けるという作品でもあります。ドルフィーもまた、この時代に現れた時代の寵児であり、フリージャズを語るうえで外せないレジェンドであります。
そんな素晴らしい作品である本作。是非、多くの人に聴いてもらえたらと思います。
最後まで、ご視聴いただきありがとうございました。
では、次回の動画でまたお会いしましょう。(YouTube用シナリオより)