長谷川穂積引退に寄せて 天才の輝きと不屈の輝きを想う | ボクシング&ロック野郎 higege91の夜明けはまだか?

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長谷川穂積が引退会見「もう証明するものはない」 BOXINGNEWS

 

>長谷川がついにグローブを置く決断を下した──。WBC世界バンタム級タイトルを10度防衛するなど一時代を築き、現在はWBC世界S・バンタム級王座を保持する長谷川穂積(35=真正)が9日午後、神戸市内のホテルで記者会見を開き、自らの口で現役引退を表明した。

 

グレーのスーツ姿で登場した長谷川。マイクの前に座ると、冒頭に「9月16日の試合を最後に引退することを決めました。まだWBC・S・バンタム級チャンピオンですが、2日後のWBC総会に出席してそこでベルトを返上してこようと思います」と引退宣言した。

 

 続けて「理由に関しましては、自分に対してこれ以上証明するものがなくなったというのがひとつ。もう一つは心と体を一致させて世界戦をして、世界チャンピオンになるという目標を達成し、戦う理由もなくなって、前回以上の気持ちを作ることができなくなったというのが大きな理由です。チャンピオンのまま引退するというわがままを聞いてくださった山下会長に感謝しています」とあいさつした。

 

 長谷川によると決断を下したのは11月中旬。かなり悩んだようだが、その時期に「ボクシングを始めた理由を考えた。お金持ちになりたい、有名になりたいというのなら、まだ試合をすればお金がもらえるし、メディアも取り上げてくれる。でも、(ボクシングを始めた理由は)自分が強いかどうか知りたい、強いならどれくらい強いか知りたいという気持ち。前回の試合で強いのか、弱いのか答えが出た。これ以上続ける意味がなくなった」と述べた。

 

  まだやれるのではないか─という問いには「前回のような気持ちを作れたら、まだ誰にも負けない自信はあるけど、身体は作れるけど気持ちを作るのは難しい。いまが一番美しいのではないかと思い、引退することにした」と語った。

 

 最も印象に残っている試合は「全部が印象に残っていて、忘れた試合はない」と前置きした上で「初めてチャンピオンになった試合は夢がなかってうれしかった」と2005年のウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)戦を上げた。

 

 後輩たちへの言葉を求められると「練習がしんどくて、練習に行きたくないと思うこともあったけど、そんな日々もいまでは楽しかったと思える。現役ボクサーは試合前は特にしんどいと思うけど、その苦しみを楽しんで強くなってほしいと思う」とエールを送った。今後どのようなことをしていくかは未定で「次のステージでチャンピオンを目指したい」と語るにとどめた。

 

 長谷川は1999年にプロデビュー。新人王戦に敗れるなどキャリア初期に2敗を喫したが、その後は卓越したディフェンス技術とスピードを武器に白星を重ね、03年5月にOPBFバンタム級王座を獲得。3度防衛後の05年にWBC世界バンタム級王座を14度防衛中のウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)を下して世界王者となった。

 

 このタイトルを10度防衛し、10年にWBO世界バンタム級王者フェルナンド・モンティエル(メキシコ)との事実上の統一戦に敗れるも、一気に2階級上げてWBC世界フェザー級王座を奪取。2度目の防衛戦でジョニー・ゴンサレス(メキシコ)に敗れてから苦難の道を歩み、14年にIBF世界S・バンタム級王者キコ・マルチネス(スペイン)に敗れた際は引退もささやかれたが、現役を続行し、今年9月、2年5ヵ月ぶりの世界戦で三度王座に就いた。生涯戦績は41戦36勝16KO5敗。

 

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…長谷川穂積を一言で表すとすれば、はやり、「不屈」の一語が浮かぶ

 

事実上の世界チャンピオン対決となったフェルナンド・モンティエルに敗れ、10度防衛し続けていたWBC世界バンタム級王座陥落後、飛び級してのWBC世界フェザー級タイトルを王座決定戦によって獲得、しかし、ジョニー・ゴンザレスに敗れて初防衛はならなかったものの、この時点での「引退」の選択肢は確かにあった

 

もっとも、この時点での引退であろうとも歴代日本選手による世界チャンピオンとしての実績は十分、一時代を築いた名チャンピオンとして語り継がれる存在であったことは間違いない

 

…が、長谷川穂積はグローブを吊るすことはなかった

 

3階級制覇を目指してスーパーバンタム級での世界挑戦を果たすも、時のIBFチャンピオンであったキコ・マルティネスに完敗…

 

この敗戦を以て、長谷川穂積の拳跡は少しだけ濁ってしまった…という見方も当時はあったかもしれない

 

が、その後に苦しい世界ランカー対決を経て、ついに掴んだ3階級制覇のチャンスはWBC世界スーパーバンタム級チャンピオンのウーゴ・ルイスへの挑戦であり、その激闘はまだ記憶に鮮明である

 

そう、マルチネスに敗れ、しかし、それでもなお「不屈」を貫いた長谷川穂積は、『だからこそ』その拳跡の輝かしさは一層光り輝くものになったことに異論を挟む方は少ないであろう

 

さて、長谷川穂積といえば、あの日本人キラーと謳われたジェス・マーカを破って東洋太平洋を獲得、そして、こちらも日本を代表するバンタムであった辰吉さんを2度、そして、西岡さんを4度も退け続けていたウィラポン・ナコンルアンプロモーションを撃退して世界タイトル初戴冠を果たした一戦がもっとも衝撃的な一戦だった思う

 

日本選手は誰が挑んでも勝てるはずがない…

 

そんな無敵感を漂わせていたウィラポンに対して抜群のスピードとヒット&アウェイを駆使、そして、ついに駆け抜けた12ラウンドの後に待っていたのはデスマスク攻略の驚愕の世界王座戴冠でありました

 

そして、バンタム級タイトルを防衛を重ねるごとに長谷川穂積はKOのコツを掴みながら進化を続ける

 

何と言っても衝撃的な一撃は、リベンジに燃えるウィラポンをワンパンチで失神させたカウンターブローでありました

 

あの一撃の完璧さは荘厳なる領域に達しております

 

多くのボクシングファンが長谷川穂積ならば誰にも負けない…と信じられるほどの安定感を築き上げましたね

 

が、モンティエルに敗れた時、その「長谷川伝説」は終わり、しかし、その「長谷川伝説 新章」が始まったわけですね

 

天才の輝き と 不屈の輝き 

 

それぞれの神々しき存在感が長谷川穂積という3階階級制覇チャンピオンには宿っておりました

 

天才の輝き と 不屈の輝き 

 

改めまして、長谷川穂積さんに感謝を申し上げます

 

もしかしたら、このブログを始めた頃に初めて世界チャンピオンになったのは長谷川さんだったような気がします

 

あのウィラポン1の前に、鳥海純さんとの世界挑戦者決定戦があって、あの一戦を取り上げた記憶あります (あれは名勝負でした)

 

そうそう、ウィラポンを破って世界チャンピオンになった長谷川さんでしたが、当時、地元神戸のスーパーの時計店でアルバイトをしていて、世界チャンピオンになってもそのバイトをしばらく続けていたのですね

 

で、新聞記事にあった当時の声にこんなものがありました

 

‐‐‐ 僕は普通でええですわ

 

…この際の「普通」とは、まぁ、「普通の世界チャンピオン」でいい、という意味だと思われますが、照れ屋の若者…という印象が強かったのですね

 

が、防衛を重ねるごとに、照れ屋の若者は貪欲になってゆく…わけですねぇ

 

我々ボクシングファンの期待と夢をその両拳にのせて、遥かなる高みを目指して駆け続けていったわけですね

 

そして、神々しき感動と勇気をたくさん作ってくださいました

 

本当にありがとうございます

 

そして、本当にお疲れ様でした

 

最高の世界チャンピオンでした

 

同じ時代を一緒に駆け抜けられて最高に楽しかったっ ‼

 

さてさて、で、僕が一番好きな一戦はやっぱりウーゴ・ルイス戦かなぁ? 

 

いやぁ、ウィラポン1かなぁ…?

 

ううむ

 

ふふ、別に1番を決める必要もないか?

 

御愛読感謝

 

つづく