09年8月1日に大阪へ生観戦遠征に出掛けた時の、ちょっとビックリした試合について少しばかり…
この夜の興行は六島ジム主宰の「ムトウボンバイエ3」…
その第2試合のフェザー級4回戦での出来事…
高田小次郎 1W1KO4L1D
×
大恵幸義 0W5L
…6戦1勝の選手と、5戦5敗の4回戦ボクサーの、切実なる戦いであります。
試合開始のゴングと同時に優位に立ったのは高田選手で、大恵選手、いきなり何かいいパンチを一発喰ってしまい、ロープを背負って防御一辺倒の窮地に陥った…!!!
あぁ、これは効いたなぁ…
と、ここですかさず、大恵選手陣営の青コーナーからタオルが舞った…
----あぁ、終わったぁ、開始僅か十数秒の出来事だけど、5戦5敗の大恵選手もうちょっと頑張りたかっただろうなぁ…
…が、試合は続いている!!!
青コーナーからは確かにタオルが投げ込まれていたのだが、なんと、レフェリーは青コーナーに背を向けていて、このギブアップの合図に全く気がついていないじゃないですか…!?
高田選手は一気に仕留めようと両腕をブンブン振り回して連打連打!!!
ロープを背負ったままひたすら耐えに耐え続ける大恵選手だったが、ここで無我夢中で右フックを振るった…
…ドスン!!!
なんとこの一発で尻餅をついたのは攻め込んでいた高田選手!?
一説にはこのカウンターパンチは大恵選手の「バッティング」だとする向きもあるようですが、僕にはカウンターの右フックに見えました…
これ、試合開始から僅か21秒間の出来事…
勝者がダウンした状態で試合終了…!?
1R 0:21 TKOで高田選手の勝ち!!!
見たことのない「珍勝負」となったこの試合ですが、勝った方も、負けた方も、レフェリーも、観客も…
「?」
…と、一瞬硬直しましたねぇ…!!
最近はリング禍問題も大きく取りざたされているし、セコンドの素早い判断は適切であったと思いますが、しかし、たまたまレフェリーが背中を向けていた、という偶然があって、さらに、無我夢中で劣勢の選手が放ったパンチがタオル投入後に炸裂する…なんていう更なる偶然が重なったわけですが、あるんですねぇ、こういうことが…!?
しかし、実に「味のある」4回戦となりました…
うぅぅん…
で、この時、僕と一緒に大阪遠征に行っていたパンクロッカーが言った…
----あのタオル投入はちょっと早い感じしたけどさ、あの選手の戦績が5戦5敗の成績ってことで、きっと試合出場させる条件に、陣営内の約束っていうか、取り決めみたいなものがあったんじゃないかなぁ? つまり、「危なそうに見えたらすぐにタオル投げるからな…」っていうか、そういう約束… 俺は思うんだけれど、あの「21秒間」に秘められた想いってのは実に奥深かったね… 陣営としては未勝利の彼になんとか勝たせたかったんだろうけれど、でも、開始直後、いきなり早速タオルを投げなくちゃならなくなって、で、速攻投げた… でもレフェリーには見えない… しかし、逆転のカウンターパンチが当たっちゃったわけだけれど、もし、あの瞬間にタオルを投げるのをあと数秒堪えたら逆転TKO勝ちもあったかも知れないわけだよねぇ… なんつうか、やや複雑だけれど、これって、ドラマチックだよねぇ…
僅か21秒間のドラマチック…
これも、妙に心に残る試合だった…
御愛読感謝
つづく