二代目吉駒が国立劇場でのリサイタルで、人間国宝の二世花柳寿楽師と共演した長唄『綱館』の舞台です。昨日は、伯母さん、二代目吉駒の七回忌の法要が内輪で執り行われました。逝かれてもう6年が過ぎたんです、早いです。

  
二代目吉駒は1923年に初代吉駒の娘として前橋に生まれました。幼いときから若柳吉佑(のちの寿慶)に師事し、初舞台は小柳町(現住吉町二丁目)にあった柳座だったっと聞いています。1942年に若柳吉吾の流名を許され、舞踊家としての歩みが始まりました。1979年にはスイスで開催されたローザンヌ舞踊会に参加、1996年には中国芸術研究院主催の東方演劇祭に招かれたりして、国内外の舞台で活躍してきました。写真は、清元『雁金』、新内『広重八景』、清元『瓢箪』です。

  
舞踊一筋に生きた二代目は、2009年に旭日双光章を叙勲され、2014年には『国際演劇年鑑2014』の『Japanese Classical Dance』の冒頭を飾りました。そして、2014年には東京新聞制定『舞踊芸術賞』を受賞しています。1999年頃からは、私とユキ子さんと一つ屋根の下で一緒の暮らしをしてきたのですが、2017年9月27日、ユキ子さんの東京の舞台に付き添って帰ってきた夜、「ちょいと疲れたから横になるね…」と言って自室で休んだまま、帰らぬ人になりました。写真は、大和楽『お春望郷』、長唄『石橋』、新内『唐人お吉』です。

 法要は朝日町にある高岑院で営まれました。一緒に暮らすことになるなどとは全く考えていなかったのですが、現在の家を新築することになったときに、「私の部屋もお願いね…」って、突然に頼まれちまったんです。でも、8年少しの一緒の暮らしでしたけど、楽しい思い出をたくさん残してくれました。感謝しています。

 高岑院のご住職が身に着けている法衣は、初代吉駒の一周忌の時かな、伯母さんが先代の住職に贈ったものです。今の住職さんが引き継いで着装してくださっていました。

 
高岑院の庭でも、ハギの花が咲き始めていました。伯母さんが一緒に暮らすようになった時に私がお願いしたのは、「朝ごはんは8時です。必ず召し上がってください」これ一つでした。伯母さんの食生活はすこぶる不規則だったんです。よく守ってくれました。それだけでなく、あちこちで「キョウイチさんのご飯、おいしいのよ」って自慢してくれていました。

 
法要の後、嶺霊園にある墓所に参りました。彼岸前の墓地は静かでした。

 
朝日町のご両親の家に戻って、料亭「松し満」から取り寄せた弁当をいただきました。そういや、「松し満」にもいくつか思い出が残っています。間もなく運営の担い手が変わると聞いていますんで、その前に食事に行きたいなってユキ子さんに頼みました。

 

 
内輪の七回忌を終えて家に戻ると、塀の間から枝を伸ばした萩の花がきれいに咲きそろっていました。<どこ行ってきたんだ?>、COCOが出迎えてくれました。「伯母さんの法事」、<伯母さんって?>、「お前が来た時はもういなかったいね…」、<キキさんは知っているの?>、「うん、猫大嫌いの伯母さんに触れるのを許されたたった一匹の猫がキキだよ」、<ふ~ん>。

 


しばらくたって二階に上がってみると、COCOが階段の手すりの支柱に寄りかかって考え事をしているみたいでした。「何考えてんだ?」、<フォイエルバッハの定理について考えてんだ…>、「難しいことを…」、<知ってるのか?>、「 『九点円は内接円に内接し、傍接円に外接する』ってんだろ」、<知っているのか…>

 「高校1年の時に、高山さんという酒好きの数学教師に教さったいね」、<証明できるのか?>、「数式証明は無理だいね、前提になる知識を失ってらい」、<そうか、じゃあ、俺がやるっきゃないな…>。どうやら本気でフォイエルバッハの定理の数式証明に取り組むつもりらしいです。見るからに数学的顔つきになってらいね…。


なんて言ってたら、外は雨が降ってきていました。ハギの花の前に水溜まりができました。

 

 
夕食は前夜の残りの魚の姿を変えていただきました。酢締めのアジは昆布で巻いて保存しておきましたので、カルバッチョ風にしていただきました。オオモンハタとセイゴの刺身は漬けにして保存しておいて、炙っていただきました。照り焼き風です。

 
カツオの赤身は下味を付けて唐揚げです。これ美味しいのですよ。汁は、ミョウガと青シソの卵とじです。ユキ子さんも「昨日と同じものがすっかり変わって…」と喜んでいました。

今日は土曜日、養田鮮魚店は子どもの運動会なので開店時間が遅くなるって言ってました。

 

 ヒゲじいさんの連れ合いの三代目若柳吉駒でございます。
1937年(昭和12年)に祖母の初代吉駒が始め、伯母の二代目吉駒が受け継いでまいりました直派若柳流美登利会、毎年春に公演会を開催しまいりまして本年4月の公演で79回目を迎えることができました。また、来春4月7日には第80回美登利会公演を予定しております。会員一同これからも精進を重ねてまいりますので、宜しくお願い申し上げます。

《最近の美登利会と吉駒リサイタルの舞台をご覧になりたい方は…》
第79回美登利会と第4回三代目吉駒リサイタルはこちらでご覧ください
第78回美登利会と第3回三代目吉駒リサイタルはこちらでご覧下さい
第77回美登利会と第2回三代目吉駒リサイタルはこちらでご覧下さい
第76回美登利会と三代目吉駒襲名リサイタルはこちらでご覧下さい
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