列車は、山間部から広瀬川の河岸段丘沿いを東へ進み、国見丘陵を過ぎたあたりから、
車窓一面に仙台平野が飛び込み、北の方角に七ツ森の山々を望むことができる。
今週、東京で行われた「インフラDX大賞」授与式に出席するため、仙台駅へ向かう仙山線の風景
授与式前夜の東京
今にも雪に変わりそうな冷たい雨の下、
今回協力してくれた方々と、ささやかな祝盃を挙げた。
河岸を替え飲み直していると、自然と話題がAIに及んだ。
ちなみに受賞した取組名は、「河道掘削工事におけるAIを活用した生産性向上への取組」である。
当の私は、国土交通大臣賞を頂きながら、AIについてとんと分かっていないのが、
何とも恥ずかしい限りであるが、
酔いも手伝い、開き直って発した私の質問「結局AIって、何モノなんだ?」に、
こんな例えが返ってきた。
「AIとは、出来の悪い部下です!」
「しれっと間違うし、ぼーっとして見落とすし、
よくわからない理由で理解できないって言ってくるし、
でも居ないよりよっぽどマシだし。出来の悪い部下そのものです!」
そう!、私も感じていた。
特に今回は、映像を使ったことから、錯覚現象に悩まされ、
それを完璧に改善しなければと気を揉んでいた。
そんなところへ、「AIとは、出来の悪い部下です!」と返した、
北海道のIT技術者の巧みな言い回しに深く感服した。
そうなのだ。
ややもすると、デジタル・AI・DXなどのワードは、
担い手不足に悩み,生産性向上や働き方改革を推進し,新3Kを目指す
いまの建設業界にとって、打ち出の小槌と思われがちであるが、
そこには落とし穴もあることを、技術者は肝に銘じておく必要がある。
帰途、列車に揺られながら、とりとめもなくそんなことを考えていたところ、
昨日参加したコンクリート講習会で、
東工大の大即教授が最後にこんなことを話してくれた。
「ぜひ現場へ足を運んでください。」
「調査報告書だけで判断することなく、現場で匂いや味を感じて下さい。」