― 健診控えがもたらした影響と、いま改めて人間ドックが大切な理由 ―
新型コロナウイルス感染症の流行は、私たちの生活や働き方、そして「健康意識」に大きな変化をもたらしました。マスク着用や手指衛生が日常になった一方で、気がつかないうちに「健康チェックの機会を失った人」も少なくありません。特に2020~2022年頃は、多くの方が外出を控え、病院や健診センターへ行くこと自体をためらう時期があったと思います。
この「健診控え」は、実は現在の健康状態にさまざまな影響を残していると考えられています。
健診控えが生んだ「空白期間」
コロナ禍でも症状がある場合には医療機関を受診する人が多かった一方で、「毎年の健診」や「人間ドック」などの「予防的な受診」は後回しにされがちでした。
しかし、生活習慣病やがんの多くは、初期段階では自覚症状が出にくいという特徴があります。
本来であれば年に一度の健診で気づくはずだった数値の悪化や、早期に発見できたかもしれない病気が、数年の空白期間を経て初めて見つかるケースもあります。

● コロナ禍でよく見られた傾向
体重増加・運動不足
リモートワークによる座位時間の増加
間食・夜食の増加
ストレスによる生活習慣の乱れ
血糖値、血圧、脂質の悪化
特に、外出自粛と在宅勤務の広がりは、想像以上に生活リズムへ影響を及ぼし、結果として生活習慣病のリスクを高めることにつながりました。
「症状がない=健康」とは限らない
「特に体調が悪くないから、健診は後回しでいい」
そう感じている方も多いかもしれませんが、生活習慣病は、静かに進行し、ある日突然、心筋梗塞・脳卒中など命に関わる状態を引き起こすことがあります。
またがんも早期の段階では全く症状が出ないことが多く、定期的な検査でしか発見できない種類もあります。
▷ コロナ禍で受診が遅れ、見つかった時には…
医療現場では、
「以前の健診から間が空き、思いのほか数値が悪化していた」
「がんが進行した状態で発見された」
というケースが実際にあります。
もちろん全員に当てはまる話ではありませんが、**“健診を受けなかった期間の分だけ、体の変化に気づくのが遅れる”**というリスクは確実に存在します。
コロナ後、いまこそ人間ドックを受けるべき理由
感染状況が落ち着き日常が戻りつつある今、健診や人間ドックの重要性は以前にも増して高まっています。
● 理由① 数年分の変化を一度に把握できる
コロナ禍で健診を控えていた方は、前回検査から時間が経っているため、身体の変化をまとめてチェックできます。
「去年と今年の比較」ではなく「数年間の経過」を見ることで、より深く健康状態を評価できます。
● 理由② 生活習慣の乱れをリセットするきっかけに
在宅勤務・運動不足・食習慣の変化など、コロナ禍で乱れた生活を見直す良いタイミングです。
人間ドックを受けることで、どこがリスクになっているのか
何を改善すべきか
が客観的に分かり、生活改善のモチベーションにもつながります。
● 理由③ がん・生活習慣病の早期発見につながる
特にがんや糖尿病、高血圧、脂質異常症などは、コロナ禍の空白期間で進行している可能性があります。
人間ドックは、通常の健診より項目が多く、より詳しく身体をチェックできるため、早期発見・早期治療に有効です。
「気づく」ことが、健康への第一歩
コロナ禍での生活は、否応なく多くの方の健康状態に影響を与えました。
しかし今からでも、健康を取り戻すための行動を始めることはできます。
健康を守るためにまず必要なのは、「自分の今の状態を知ること」です。
そのための最も確実で客観的な方法が、健診や人間ドックです。
私も定期的に健康診断を受けていますが、徐々にγGTPの数値が上がってきていますし、腹囲も益々広がっていますので、そろそろお酒を控えようかと悩んでいるところです(笑)
子供もまだ小さいので、ここでもし「がん」にでもなったらこの先どうしようかと真剣に考える時期がきていますので、食生活にも気を遣うようになりました。

当院では、コロナ禍以降久しぶりに健診を受けられる方が増えています。
「しばらく受けていなかったから不安」という方こそ、ぜひ一度ご相談ください。
私たち医療スタッフが、検査だけでなく、結果の解説やその後の生活改善まで丁寧にサポートいたします。
文責:診療情報課 馬場