能登半島地震から2週間、死者222人、行方不明22名という。
家屋の被害数、避難者の数など、まだまだ集計しきれていない数字も多いところで、
時期尚早ではあるが、この後の能登の「希望」について考える。

日本の人口密度は、330人/㎢ほどで、世界でも多い方だという。
世界全体からすれば、本当に人の住めないところは少なくて、山でも孤島でも、多少不便でも住めないことはない、ということからだろうと思う。


富山県と石川県は、人口も面積も似ていて、R4年10月1日のデータだと

富山県は4247.54㎢に101.7万人で人口密度239人、

石川県は4186.05㎢に111.8万人で人口密度267人、である。

ちょっと古いが、2021年の石川県民手帳でR2年のデータを見ると、
今回の震災の主たる被災地、輪島市、珠洲市、能登町、穴水町、志賀町、七尾市の人口密度は

順に、56.56、52.03、56.31、42.06、74.61、160.99

県内19市町の下位を競い、
富山県でいえば、五箇山の3村を含む南砺市の69.2人より低いところが多い。

(画像は、南砺市菅沼の合掌家屋)



観光で、多くの人が訪れる海際とは違う、山間地が、実は能登の本体で、
半島全体に、小さな集落が散らばっている、というイメージである。

「町づくり」とか「地域おこし」を語るうえで、そこがどんな地域か、人口密度を考えない人はいないだろう。
復興だって同じことで、
こういう人口密度の低いところであれば、人を呼ぶにしろ、何か買ってもらえるものを生産するにしろ、

他地域との競争に、ひと工夫もふた工夫も必要になる。

逆に言えば、伸びしろがあるともいえる。
土地はたくさんある。余っている。
そして北陸は、3大都市圏に近い。

 

ここから、日本全体を復興させることだってできるのではないか。

たとえば、七尾線をミニ新幹線方式で整備し直して、廃線となった輪島や珠洲まで、ルートを伸ばせばどうか。
これにより、能登空港の不便さも一気に解消される。
交通の便さえよくなれば、
国際会議場や大規模スタジアム、テーマパークを誘致したっていい。
いわゆる「経済特区」で、
工場や商業施設もやってくるだろう。

このプラン、日本経済全体に波及効果がある。
復興は、被災地のために他の地域が犠牲になることではないはずだ。