cakesというサイトがある。ケイクス、と読むのだろう。

ダイヤモンド社で「もしドラ」などの話題作を手がけた編集者、加藤貞顕を代表とする「株式会社ピースオブケイク」のサービスで、週150円、月500円という価格で、サイトにたまっているコンテンツ(記事)が見られるというものである。

kindleやiCloudのように、コンテンツごとに購入するのではなく、
期間で金を払う、というビジネスモデル。
有料図書館の会員になる、というようなイメージだろう。

新聞と比べれば安いものだ。紙が貯まらないのもいい。

もちろん、中身が充実していてこその業態だ。
なかなか面白い記事が多い。
無料で読めるものもけっこうあって、登録だけしている。

ここで連載されていた内容が、本になったりする。
すべてのニュースは賞味期限切れである

そして、この本をいかに売るかという作戦会議が、
そのまま記事になっている。
これがまた、勉強になるのだ。

いきなり、「コンテクストが複雑なものは共有されない」とくる。
このブログや、私の書くものはみな、主義主張が入り組んでいる。
人気が出ないわけだ。

そして、「本を売りたければ、読者を想定せよ」
本屋で、客の動きを観測するくらいのことはすべきだという。
なるほど。

最後に大盛り上がりだったのが、
「送本」のテクニック。
加藤氏は、「もしドラ」を千冊くらい送った、という。

チラシじゃないんだから…といいたいところだが。

野球の好きそうな芸能人とか、甲子園に出た全チームに送ったという。
サッカーの日本代表に「南アフリカで夜暇かもしれない」と送った。
マスコミの書評担当者には、そのままパクれる紹介文をつけておく。

影響力のあるところに、ストーリーを描いてアプローチする。
これこそが「営業」である。


(写真は、単に、ケーキ。…本文とほとんど関係がない)

ケーキ