とかくこの世は「風と波」で、
吹けば止み、寄せては返し、上がれば下がる、
だいたい、そういうものである。

主にデジタルテクノロジーによる、
急激な情報化の一方で、
身体的(フィジカル)なものへの関心も深まっているように思う。

連休中に、少人数で2時間足らずの、「ヨガ&座禅の会」に参加してきた。

別に、自分の体に不満があるわけではない。

206個の骨と、それらをつなぐ筋肉、
そして細胞の一つ一つにエネルギーを行き渡らせるための循環器や呼吸器・消化器
そういう生き物の体の仕組みに驚き感心しつつ、もう少し知りたい、実感したいという、まあちょっとした好奇心からだ。

とにかく、先生に遅れまいと体を動かすのに精一杯。
だが、頭は結構クリア。体を意識するというのは、けっこう哲学的なことだ。

ヨガというと、力を入れたり抜いたり、ストレッチをしたり、柔軟性みたいなところに目を向けがちだが、
座禅と合わせて、「呼吸」と「姿勢」こそが、その真髄であるように思った。

野菜ソムリエさんに、「私たちの体は、食べたもの『だけ』からできている」と言われたことがある。
ナルホドと感心した。
だが、食べたものを「燃やす」には、すでにできている体に、空気を取り入れるしかない。

「食べ物」「姿勢」「呼吸」

それこそが、現代人が最初に学ぶべきものではないか。
骨や筋肉やそれを包む肌よりも、
あるいは運動よりも、フィジカルの本質なのではないか、
そんなふうに思う。

  ◇

心地よい空腹に誘われ、
帰りのクルマの中で、いただいたシュークリームを口にしたが、
申し訳ない、ちっともうまくない。

見ると、添加物が話題の某巨大パン屋の商品だ。

思いは、確信になった。



(「呼吸」を感じさせる写真がないかと探してみたが、ピンとこない。夏の富士山でご容赦)

富士山